研究課題/領域番号 |
19K00173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
吉住 磨子 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 教授 (20284622)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 百武兼行 / アッカデーミア・ジージ / ヘンリー・ジョゼフ・チュウロン / ピエトロ・ミッカ図 / ピエトロ・ミッカとリソルジメント / 鍋島直大の芸術保護 / 鍋島直大とサヴォイア家 / 幕末明治初期の日伊外交 / 鍋島直大 / 佐賀藩の芸術保護 / 日伊関係史 / ピエトロ・ミッカ / レオン・ボナ / 国際芸術家協会 / 百武兼行作「鍋島直大像」 / イタリア / Henry Joseph Thouron / チュウロン / 松岡壽 / アッカデ―ミア・ジージ / マルグッタ通り / 日本近代 / イタリア近代 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治時代初期の画家である百武兼行(1842~84年)のイタリア時代(1880~82年)に焦点をあて、彼の画業を明らかにすることで、明治洋画史における百武の再評価を試みようとするものである。具体的には、百武を取り巻いていた当時のイタリアの政治的および芸術的環境を仔細に調査・研究した上で、百武がローマ滞在時に描いた作品の画題選択の理由や百武の交友関係を、文献学的かつ実証的に裏付けていく。
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研究成果の概要 |
百武兼行(1842~~84)のイタリア時代(1880~82)については、20世紀初頭の資料をもとに、三輪英夫氏によって百武の現地での行動や作品の基本的なデータのみが明らかにされている。これに対し、本研究はイタリアに存在する19世紀後半から20世紀初めにかけての資料と現代の文献の調査,そして現地調査によって、これまで不明であった百武のイタリア時代の新たな事実を明らかにした。具体的には百武が「チョチャラ」を主題に繰り返し作品を制作した背景、百武のがローマで接した"Thouron"という人物の正体、そして、<ピエトロ・ミッカ図>(1882)を描いた背景やこの作品の図像の詳細な分析などである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本近代の初期洋画史上、最も重要な画家の一人と見做されながら、多くの点が不明とされている百武兼行(1842~84)の研究史の上で、本研究は次の2つの点において一つの画期となったと考える。まず1つ目は、百武の外国滞在期の研究を、百武滞在と同時代の同地(イタリア)の資料をはじめて調査することによって進展させたこと。これによって、これまで知られていなかった百武のイタリア滞在時のいくつかの事実が明らかになったこと。2つ目は百武のイタリア時代の作品を、百武と彼の最大のパトロンであった鍋島直大(1846~1921)の関係というコンテクストの中に置くことで、百武作品のもつ政治的な意味内容を解読した点である。
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