カモフラージュは、自然界に存在する「擬態」に想を得て、敵の目から対象を隠し、敵の目を欺く技術である。敵の飛行機および航空写真から自軍の装備が見分けられないようにするという現代戦のカモフラージュが開発されたのは、第一次世界大戦中であり、それにキュビスムやヴォーティシズムの画家が関わった。 本研究では、カモフラージュを通して、芸術(美術・建築)/生物学/軍事/イデオロギーの関係を領域横断的に考察する。研究の対象とする時代は、第一次世界大戦から第二次世界大戦(後)にまで広げ、地域も西洋(フランス・イギリス・ドイツ・アメリカ)だけではなく、日本のカモフラージュの受容も射程に入れる。
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