研究課題/領域番号 |
19K00185
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 京都精華大学 |
研究代表者 |
鈴木 堅弘 京都精華大学, 人文学部, 研究員 (80567800)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大津絵 / 図像学 / 芸能 / 近松門左衛門 / 民画 / 柳宗悦 / 民藝 / 浮世絵 / 鬼の図像 / ボストン美術館 / メトロポリタン美術館 / 関蝉丸神社 / シャーマン・リー / 人形浄瑠璃 / 近江 / 江戸時代 / 絵画 / 歌舞伎 / 浄瑠璃 / 民俗芸能 / 戯画 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、江戸時代に描かれた「大津絵」を考察の対象とし、図像学と芸能史学をつなぐ観点から、大津絵文化が発生した理由を芸能民が集う「場」の歴史から捉える。とくに「念仏芸能」・「民俗芸能」・「舞台芸能」の三支点から大津絵の画題を読み解くことで、近世期の民衆的絵画が「芸能文化の基層」によって育まれた史実を立証するものである。
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研究成果の概要 |
本研究ではおもにアメリカの博物館に遺る大津絵の閲覧調査を目的とし、シアトル・アジア美術館、ボストン美術館、メトロポリタン美術館にて合計80点ほどの大津絵をデジタル撮影し、各作品の目録調書の作成をおこなった。本調査にて、現在の米国における大津絵の遺存状況を把握する基礎研究を成すことができた。 また本研究にて、大津絵が誕生した理由を芸能民の歴史性から捉える口頭発表をフランス(パリ)、韓国(谷城)、日本(京都)にておこなった。これら学術シンポジウムにて国内外の研究者と積極的に議論を進めることで大津絵を日本の浮世絵文化の源流に位置づけ、大津絵と芸能文化を結ぶ研究成果を論文にて発表するにいたった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の大津絵研究は民藝の範疇にて行われる傾向にあったが、本研究では図像学と芸能史をつなぐ観点から大津絵誕生の理由を芸能民の歴史性から捉える論文発表を行い、新たに大津絵の芸能起源説を提唱するにいたった。またこれまで未調査であったアメリカの博物館・美術館に遺存する大津絵の悉皆調査を実施し、作品状態や来歴を示す目録作成し、アメリカへの作品伝播の歴史を把握した学術的意義を有する。 本研究を通じて、フランスや韓国の国際学術シンポジウムにて大津絵を取り上げることで諸外国の人々に日本の大津絵を深く知る機会を提供し、今後、欧州並びに米国にて展覧会等が開催され、大津絵に関する研究が進展する社会的意義を有する。
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