研究課題/領域番号 |
19K00187
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 神奈川県立歴史博物館 |
研究代表者 |
角田 拓朗 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (80435825)
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研究分担者 |
赤木 里香子 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (40211693)
山口 健二 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (90273424)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 浮世絵史 / 陶磁史 / 工芸史 / 日米美術交流史 / ジャポニスム / 製陶業 / 出版業 / 近代日本美術史 / 輸出美術 / 明治浮世絵 / 近代陶磁史 / 近代出版史 / 浮世絵 / 輸出陶磁器 / 美術史 / 近代日本美術 / 陶磁器 / 美術教育史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治期の起業家兼アートディレクターである大倉孫兵衛についてのものである。彼はノリタケや大倉陶園の創立に関与し、その他、TOTOや日本碍子などの創立にも関与した人物として知られるが、もともとは浮世絵の版元だった。その活動を含めて考えることで、彼の全体像を明らかにし、また近代日本美術史を大倉を通じて経済史的観点から読み直す研究でもある。
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研究成果の概要 |
明治前期、錦絵の版元として活動をはじめ、その後、出版業、輸出業、製陶業など幅広い分野で活躍した大倉孫兵衛。その人物の活動を近代日本美術史という枠組のなかで、その総体を具体化し、評価し、位置付けるはじめての研究となり、多くの新知見を得た。基礎研究として彼が制作した錦絵を詳細に論じ、彼が関わった「雑貨」というカテゴリーすなわり輸出美術の全貌を具体的に論じることで、近代日本美術史という枠組の限界を逆照射する機会ともなった。コロナ禍ではあったものの、成果公開として展覧会実施、学会発表、報告書刊行など、多様な発信に努めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果のうち、特筆すべきは輸出錦絵の実態を明らかにした点である。これまでほとんど実物が確認されず、その背景も論じられる機会のなかった明治期の輸出錦絵の実作品を用い、その作風や展開、販売の実態など多角的に論じることができた。さらに、版元大倉孫兵衛がその輸出業の展開を経て、製陶業に移行した過程を明らかにしたことで、明治期の絵画研究と工芸研究の交差を具体化することに成功した。この研究により、従来、距離があると考えられがちだった、「美術」と「産業」の具体的な接点を指摘し、将来的な研究の展望を示唆し得た。
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