研究課題/領域番号 |
19K00188
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪 |
研究代表者 |
齋藤 龍一 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立美術館, 主任学芸員 (70573385)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 中国 / 仏教 / 道教 / 中国美術 / 仏教美術 / 道教美術 / 美術史 / 中国彫刻史 / 道教像 / 中国南北朝時代 / 隋・唐時代 / 山西省 / 石造彫刻 / 仏像 / 地域性 / 山西 / 彫刻史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国で生まれた最大の宗教である「道教」において礼拝対象となる偶像=道教像を対象とするものである。 中国を代表する大都市・西安(陝西省西安市)と洛陽(河南省洛陽市)の中間に所在する交通の要衝、河東地域(山西省西南部)を主たる研究対象とし、道教が仏教と競いながら体系化してゆく南北朝~唐時代(5~10世紀)における道教像の地域性の萌芽と展開の過程を、同地域の仏像や他地域の道教像との詳細な比較検討を踏まえながら解明する。
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研究成果の概要 |
道教像の定型化はこれまで先学が指摘してきた北周ではなく、数十年遡る西魏であることを明らかにした。凭几を伴う維摩像と道教像を比較すると、維摩像で北魏(6世紀初頭)そして道教像では西魏と、近接する時期に相次いで凭几が表されるようになったことがわかる。つまり凭几を伴う道教像は、山西における図像的にやや崩れた維摩像が、同じく山西・河東における道教像の制作に際し引用され成立するに至ったと考えられる。 また河東と黄河対岸の潼関で出土した仏像・道教像の検討を通じ、隣接する地域間における「像の移動」はあったもの、それを要因とする造像様式の影響関係はなかったことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
道教像に関する美術史的なアプローチは、いまだ萌芽期の域を出ていないのが実情である。そのため、道教像の年代的変遷については、一定研究成果の積み重ねがあるものの、中国各地における道教像の様式とその地域間での相違、すなわち地域性についてはあまり論じられていない。 本研究では、長安(陝西省西安市)と洛陽(河南省洛陽市)の間に位置する河東(山西省西南部)における道教像の展開と、同地域の道教像が他地域へ影響を与えた事象を検証したが、これにより「道教像の地域性」という重要なテーマの解明に大きく貢献することができると考えている。さらに、「道教美術」という美術史における研究領域の確立に資するものと推測される。
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