研究課題/領域番号 |
19K00197
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 愛知県立芸術大学 (2022) 近畿大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
有持 旭 愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (30759783)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アニメーション / 風刺画 / エストニア / クロアチア / オーラル・ヒストリー / 比較美術史 / 国営アニメーションスタジオ / 表象文化史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、エストニアを中心に、国営アニメーションスタジオにおける風刺画の影響を読み解き、スタジオで制作された作品の再解釈を目的とする。オーラル・ヒストリーを軸とした本研究によって、概略的な記述に留まっている東欧アニメーション史を補填する。さらに民族誌的アニメーションという領域を開拓するための基礎とする。
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研究実績の概要 |
今年度は実地調査を軸に研究を進めた結果、本研究の研究対象であるエストニア及びクロアチアの国営アニメーションの風刺画受容に関して多くの有益な資料を得ることができた。ザグレブで、Animafest Zagrebの特集「Zagreb School」、及びザグレブ現代美術館で開催されたAnimafest Zagreb展を鑑賞した。また、ヨシュコ・マルシッチにインタビューを行い、彼が作成した『アニメーション学の17の基本原則』という資料を拝受することもできた。これらにより、当時の国営アニメーションスタジオ「ザグレブ・フィルム」の活動や風刺画との関係、そしてタリンフィルム作品との関係について多くの資料と史実を確認することができた。タリンでは、レイン・ラーマットにインタビューを行った。アニメーション作家プリート・パルンや風刺画家や画家をアニメーション製作に参加させた動機や経緯について、そしてタリンフィルムとザグレブ・フィルムとの関係についても確認することができた。さらに、パルンにインタビューを行った。タリンフィルムで制作された作品『Kolmnurk』と『Porgandite oo』に関して聞き取り調査を行い、その後作品の分析をした。さらに、パルンのタルトゥ大学におけるアニメーション講義動画(1つ/3時間半)のうち、「スタイル」、「シュルレアリスム」、「アニメーション技術」の3つを翻訳した。これらの成果の一部は、東京藝術大学大学院の公開講座「パルン学派?エストニアに学ぶ作家たち」にて公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ザグレブとタリンにて聞き取り調査を行うことができ、得られた資料によって研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
主にプリート・パルン作品の分析を行い、作品論を通してタリンフィルムの風刺画受容の歴史を明確にしていく。また、今年もザグレブのAnimafest Zagrebを視察し、ザグレブ・フィルムの風刺画受容の歴史を明確化していく。2023年の前半期に東京と京都で、エストニア・アニメーション上映会のなかの講演として、一般の方々に知ってもらえる機会を設けることになっている。それ以外の学術的な場においては、2023年度以降にアニメーション学会、日本映像学会、愛知県立芸術大学で口頭発表や論文投稿によって成果発表を行う予定である。これらによって、一度研究を整理した上で、補足部分や修正部分を明らかにし、その後の研究の方向性ややるべきことをもう一度整える。
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