研究課題/領域番号 |
19K00201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
下田 章平 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (60825826)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 羅振玉 / 久野錦浦 / 大西見山 / 内藤湖南 / 劉世コウ / 博文堂 / 端方 / 李宗瀚 / 上野有竹斎 / 大西行礼 / 山本二峯 / 藤田剣峯 / 林朗庵 / 林熊祥 / 陳宝シン / 書道史 / 近代東アジア / コレクション / 日中交流 / 書画 / 碑帖 / 犬養木堂(毅) / 山本二峯(悌二郎) / 書画碑帖 / 犬養木堂 / 鑑定 / 斡旋 / 収蔵集団 / 犬養毅(木堂) / 長尾雨山 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「収蔵集団」を視座とし、未公刊資料の分析を通じて辛亥革命勃発後から戦前までの時期に、関西中国書画碑帖コレクションが形成された要因について解明することを目的とする。本研究では上記目的の達成が最終目標であり、5箇年にわたって検討を行う。2019年度は犬養毅の「収蔵集団」における役割の検討、2020年度は博文堂の活動についての検討、2021年度は中国人収蔵関係者(羅振玉・廉泉・白堅など)の検討、2022年度は複数の「収蔵集団」に所属した収蔵家(大西行礼・山本悌二郎)の検討、2023年度は内藤湖南・長尾雨山の収蔵指南活動の検討を行う予定である。
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研究実績の概要 |
2022年度は羅振玉コレクションを継承したと見られる収蔵家であった久野錦浦(1875-1918)と大西見山(1870-1930)について検討した。また、内藤湖南と端方コレクションの関わりについて考察した。第1の久野錦浦については、そのコレクションが初期羅振玉コレクション(明清書画及び碑帖)を購入したことにより形成され、支配人として勤務していた西備銀行の経営破綻によってコレクションが散佚したことを明らかにした。また、博文堂(美術商)の初期の活動実態に関しては、関西における文求堂(寸紅堂)との競合、法書会大阪支部としての活動、篆刻家の桑名鐵城の経済的支援についても言及した。第2の大西見山については、大西見山コレクションが羅振玉コレクションの流入により形成されたことが判明した。また、明治末年から昭和初期にかけて日本に流入した碑帖の流入過程について検討し、明治末年から大正中葉までは羅振玉コレクション、大正中葉から昭和初年までは李宗瀚や端方コレクションの流入が認められ、前者は大西見山、後者は中村不折や三井高堅によって所蔵されたと結論付けた。第3の内藤湖南の中国文物との関わりに関しては、明治36年(1903)に開催された第5回内国勧業博覧会における端方の青銅器コレクションの公開の実態について確認した上で、内藤湖南と劉世コウの交友関係について分析し、近代書画碑帖収蔵史上、第二期の到来をもたらした明治43年(1910)の内藤湖南らの端方コレクション等の調査がこの博覧会を契機にして実施されたことを明らかにした。このほかに、近代書画碑帖収蔵史を5期に区分し、各時期の概要を確認した上で、書画碑帖収蔵史上の特徴とその研究分野について提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は犬養木堂の「収蔵集団」における役割、2020年度は山本二峯の収蔵、2021年度羅振玉と林熊祥・林朗庵兄弟の収蔵、2022年度は久野錦浦、大西見山の収蔵及び初期博文堂(美術商)の活動と内藤湖南と端方コレクションの関わりについて考察した。当初の計画通り、おおむね研究自体は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、当初の計画にある内藤湖南・長尾雨山の収蔵指南活動及び、膨大な資料の備わる博文堂の活動についても分析を継続したい。
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