研究課題/領域番号 |
19K00210
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
|
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 (2020-2022) 公益財団法人大和文華館 (2019) |
研究代表者 |
古川 攝一 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 研究員 (70463297)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 白描図像 / 仏教絵画 / 白描画 / 図像学 / 玄証本 / 美術史学 / 美術史 / 模本 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、平安時代後半から鎌倉時代前半に集積された白描図像が院政期以降の仏画にどのような影響を与えたのか、その解明を試みるものである。高野山で収集、書写活動を行った図像家・玄証(1146~1222)ゆかりの図像である玄証本を起点に、図像から得られる三つの視点、①主題(尊像)②表現(描線の質、造形、彩色の有無)③文字情報(制作年代、人物名、註記)を基軸に考察を行う。 院政期は図像をめぐって寺院や僧侶だけでなく、天皇や貴族が積極的に関わった時代であり、宮廷絵師の活動や、やまと絵の作例も視野に入れつつ、新たな視点で院政期以降、中世前半の絵画史を捉えることを目指すものである。
|
研究成果の概要 |
現段階で判明する玄証本の総体をおおよそ捉えることが出来た。個々の図像を分析すると、請来図像の占める割合が多いこと、玄証本が造形化された仏画や仏像に請来図像の影響が認められる作例があることが分かった。また、白描図像の描線を考察することで、白描画だけでなく、本画である仏画ややまと絵絵巻との共通性や違いを明らかにし、作例が限られる古代・中世絵画史を補う重要な資料群となることが明らかとなった。さらに、代表者が所属する東京国立博物館に所蔵される近代の模本を活用することで、玄証本をはじめ同時代の白描図像について考察する有意義な資料群となることが判明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで仏教絵画研究における基礎資料として活用されていた白描図像について、美術史学の方法論を用いて本画と同じように考察し、絵画史上に位置付けることを試みた点である。白描図像は断簡も含めて国内外に分蔵されており、再評価が進みその重要性が明らかとなることで、展覧会などでの積極的な公開が行われ、研究が進むことが期待される。
|