研究課題/領域番号 |
19K00218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
京都 絵美 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (40633441)
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研究分担者 |
早川 典子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 室長 (20311160)
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00416265)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 画絹 / 絹本絵画 / 絵画技法 / 製糸技術 / 製織技術 / 絵画材料 / 絹本 / 絵画 / 技法 / 製糸 / 蚕糸 / 絹 / 砧打ち / 技法材料 / 模写 / 日本画 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は日本と中国における絹本著色絵画の材料・技法史的展開に着目し、絹地の加工と描画実験を通して画絹に関する諸問題の解明を目指すものである。画絹のみから得られる情報には限りがあるが、通史的にみて画絹と著色技法には多くの相関関係がみとめられる。特に(1)古代における滲み止めや精巧に描画するための素地加工と(2)大画面制作のための絹継 については研究の蓄積が乏しい部分であり、これらの諸条件が描画の過程でどのように作用するのかを中心に、後の時代の展開も含めて考察する。作品の調査、画論、技法書等の分析に加え、在来製糸・製織技術で織られた絹を用いてサンプル制作し、多角的な検証を行っていきたい。
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研究成果の概要 |
本研究は日本と中国における絹本著色絵画の材料・技法史的展開に着目し、画絹に関する諸問題の解明を目指したものである。作品調査と製糸・製織に関わる実地調査に加え、画絹試料の製作と実験を行い、一定の成果が得られた。画絹の織密度、絹糸の抱合(「より」)の強さには一部に年代的傾向を指摘できる可能性があり、また、糸形状については近代以前と以後の製糸技術で二項対立的に分けられるものでないことが確認できた。近代以前の日本と中国の製糸技術に差異が推測されたことは特筆すべき成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
製糸・製織技術の近代化によって画絹の性状は大きく変化しているが、その過渡期的状況や、近代以前の画絹の糸質、繰糸法、劣化のメカニズム等については不明な点が非常に多く、絵画制作、美術史、文化財の各領域で共通認識がもたれていない状況にあった。研究期間を通して養蚕・製糸関係の技術者、研究者とも交流をもつことができ、多くの知見が得られたほか、研究分担者、研究協力者らと、技法材料、美術史、文化財科学の領域で連携して製糸・製織技術と絵画技法に関する意見交換を行い、今後の課題について共有することができた。
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