研究課題/領域番号 |
19K00220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
輪島 裕介 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50609500)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 東アジア / 環太平洋 / 大衆音楽 / シティ・ポップ / ディスコ / アニメソング(アニソン) / 大阪 / ちんどん屋 / ヴァナキュラー音楽 / インディペンデント音楽 / シティポップ / 在地音楽 / 演歌 / アニメソング / 民族音楽学 / ポピュラー音楽研究 / 大阪の芸能 / 在地音楽(vernacular music) / アジア / 東京 / トランスナショナル / ニューミュージック / 近代日本大衆音楽史 / 間アジア |
研究開始時の研究の概要 |
日本の大衆音楽史を、アジア/太平洋地域の近代化の過程のなかに位置づけることを目指す。 1・「西洋」からの覇権的影響における他地域との異同、2・地域内の相互的な影響、3・地域内における日本の大衆音楽の影響力の歴史的推移、4・帝国期と戦後期の間の断絶、連続、変容、について検討する。 具体的な事例として、a)1930年頃に確立する日本の流行歌スタイルの戦後の韓国と台湾における受容と変容、b)1960年代に日本でキャリアを開始しその後アジア全域で活躍した台湾人歌手・俳優の林沖の経歴、c)「シティポップ」と呼ばれる1980年代の日本のポップ音楽の現代アジアにおける受容、の3つをとりあげる。
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研究成果の概要 |
本研究では、日本の大衆音楽史をアジア/太平洋地域との関連において捉え直すことを目指した。特に、「シティポップ」「ディスコ」「アニメソング(アニソン)」という3つのジャンルのトランスナショナルな生産と受容の文脈に注目し、日英両言語での口頭発表および論文執筆を行った。東アジアの「反日」現象に関する理論的著作の翻訳に加わり、帝国日本と占領期、冷戦期を連続したものとして考える視点を獲得した。1920年代から60年代頃までの大阪の音楽文化を、近隣地域との関係も含めて貫戦史的に捉える研究に着手した。 COVID19直前の2019年度に目覚ましく発展した国際的研究ネットワークを維持するよう努めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一国史的な歴史記述や、英語圏の「洋楽」(とりわけアメリカ)の影響を特権視する見方を乗り越え、近隣地域との相互関係の中で、人々の日常的な営みとしての音楽の歴史的展開を学術的に検討することで、非西洋地域の近代化という大きな文脈の中で、日本の大衆音楽士を位置づけ、他地域の経験と相関的に研究するための視点が獲得される。 具体的には、「西洋近代音楽」の影響の有無と開国以前/以後を恣意的に重ね合わせる傾向が強固であった日本音楽史記述や、戦前/戦後の分断を前提とし、占領期の米軍キャンプを象徴的な起源とするポピュラー音楽史記述を、より包摂的で多様性に開かれた過程として書きかえることが可能となる。
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