研究課題/領域番号 |
19K00225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
松本 茂章 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (10433393)
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研究分担者 |
梅田 英春 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (40316203)
高島 知佐子 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (70590404)
上山 典子 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (90318577)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 文化政策 / 国際音楽コンクール / 地域貢献 / 音楽祭 / 国内外の比較 / 自治体文化政策 / 都市の誇り形成 / シティプロモーション / 地域振興 / 音楽コンクールの運営改革 / 都市のイメージ形成 / 映画祭 / 文化芸術の産業化 / 官民協働 / 市民ボランティア / アートマネジメント / 国内外の比較研究 |
研究開始時の研究の概要 |
国際音楽コンクールの多くは開催地の自治体から支援を受けているため、国際音楽コンクールと開催地住民との関係に着目したい。地域のなかで、どのように住民とつながり、コンクール開催の意義に対する理解を得ているのか、を問いかける。1980年代以降に始まった、国内外における新興の国際音楽コンクールを比較分析することで、同コンクールが存続・継続していくための環境づくりを考える。 開催都市は、運営に追われており、他の実態を知らない面があるため、研究自体が地域貢献活動になると期待される。
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研究実績の概要 |
◆研究代表である松本茂章は2023年度、「神戸国際フルートコンクール」の調査に専念した。存続の危機に面した同コンクールを検証するために22年秋から調査を開始。23年10月まで神戸市に通い詰めた。同年8月2日には神戸文化振興財団理事長、10月10日には神戸商工会議所副会頭、10月21日にアンサンブル神戸の指揮者、10月25日には神戸市文化スポーツ局長・副局長らに、聞き取り調査を行い、全容の把握に努めた。 成果は、23年12月10日、九州大学にて開かれた日本アートマネジメント学会第25回全国大会の分科会において、「国際音楽コンクールの存続可能性 -神戸国際フルートコンクールを事例に-」と題して口頭発表した。予稿集に原稿を掲載した。 ◆梅田英春は、23年6月にインドネシア・バリ島に渡航、バリ島芸術祭の調査を行った。 ◆上山典子は、24年1月、「野島稔メモリアル もっと教えて野平一郎先生 事前レクチャー」(仙台国際音楽コンクール関連イベントの1つ)に参加した。野島稔氏はこれまで審査委委員長を務めた。亡くなったことのメモリアルとして、後任の平野一郎氏によるピアノ演奏のレクチャーである。調査の狙いは、国際音楽コンクールの一環として行われる関連行事がいかなるものかを調べることにあった。同コンクール事務局が、コンクールを開催していない年にも、関連イベントを多数企画してピアノ人口を増やそうとしている実態を把握できた。 ◆高島知佐子は、23年8月、米国インディアナポリスにて開かれた国際文化経済学会に参加した。この際、本科研費研究の費用で、インディアナポリス国際バイオリンコンクール事務局を訪れ、詳しく聞き取り調査を実施。資料収集を行った。高島には以前に本選を調査した実績があり、今回は初年度から現在までのプログラムや収支関係資料の収集を行い、オーケストラとコンクール事務局との関係性を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍が過ぎ去り、ようやく調査活動が行いやすくなったことから、研究は順調に進捗している。 たとえば研究代表の松本の場合、懸案となっていた「神戸国際フルートコンクール」の調査に手ごたえをつかんだ。日本アートマネジメント学会第25回全国大会における口頭発表でも、全国各地から集まったアートマネジメント研究者らを前に、成果を報告できたことで、研究は大きく前進した。 なぜならば、同コンクールの場合、成果が見えにくいとされて神戸市による財政支援が止まり、存続の危機に直面したという特異な流れにあったためである。市民の存続運動、あるいは民間からの寄付を得ることで継続できた経緯を、関係者の証言から丁寧に整理して、学会で発表することができた。これまでの動きは、新聞等で盛んに報道されてきたものの、関係者に詳しい聞き取り調査を行ったうえでの学術研究、あるいは分析成果はなく、初出として音楽関係者に注目された。 共同研究者の梅田、上山、高島については、従来の研究を深く掘り下げることで、研究の充実を図った。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスは2023年5月、「5類感染症」に格下げされたことに伴い、移動の制限が解除された。このため、23年度の調査は随分と行いやすくなった。24年度には本研究の最終年度を迎える。 松本、梅田、上山、高島は、日本国内、米国、欧州、アジアという別々の音楽コンクールを調査研究してきた。それだけに、最終年度には4人の成果を報告し合いたいと願う。
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