研究課題/領域番号 |
19K00229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
富 燦霞 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (10795925)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中国舞踊 / 京劇 / 身体表現 / 中国伝統身体観 / 中医学 / 中国の伝統身体観 / 身体技法 / 中医学の身体観 / 舞踊学 / 舞踊人類学 / 芸術実践 / 中の伝統的身体観 / 中国の伝統的身体観 / 中国医学 / 日本舞踊 / 琉球舞踊 / 伝統 / 身体観 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はこれまでの研究成果である中国戯曲の「伝統技法における動きの表現原理」をベースに、伝統的中国医学の身体観の文献考察及び実技研究(中医学、京劇、中国舞踊、日本舞踊、琉球舞踊の専門家による共同研究)を通して、中国舞踊における伝統的身体観の解明を意図するものである。
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研究成果の概要 |
京劇の身体表現における化粧、及び基本技法の表現原理を焦点に検証を行い、細部の表現まで伝統の身体観、思想が深く組み込まれていることを明確にした。 化粧の2大形式は、中国的な倫理・道徳の基準によって人物を尋常と非尋常とに分け、中庸と非中庸に符合する構造を持つ。色は人間の生理と精神的変化の顕れを表現している。 動作表現においては、動・静という異質な表現が基本要素として共存し、一つの身体に重層・互換する特徴は陰陽の宇宙観を表し、流動の動きと漲る静態の造形は中医学における臓腑経絡に流れる気の様態及び流れるリズムを表し、静態表現を行う役者の凝集―充満―拡散という身体感覚は気の体内での増生状態を表している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伝統中国身体観や中医学の視点を中国舞踊の研究に取り入れたのは本研究が初であり、中国舞踊の研究に新たな道を開拓した。伝統思想を背景にもつ中国の身体観を用いれば、表現の深部まで解釈・理解可能となり、中国には西洋の身体とは異なる独自の身体表現があることを明確にした。これにより、西洋の舞踊理論や美学の視点を中核に置いて中国舞踊を改造や発展させてゆく方法は、中国独自の身体表現を失わせ、伝承を妨げることを示唆した。これが本研究の最大の成果であると言える。
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