研究課題/領域番号 |
19K00238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
米田 尚輝 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (50601019)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 美術史 / 現代美術 / 表象文化論 / もの派 / 李禹煥 / 美学 / 芸術学 / 博物館学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1990年代後半から現在までの日本を中心としたアジア諸国の現代美術を、それにまつわる理論的言説と照らし合わせて検証するものである。アジアを含む非欧米圏の現代美術の世界的興隆は、1990年代後半から2000年代初頭にかけて欧米で生まれた現代美術の理論的言説、すなわちリレーショナル・アートやコラボレィティヴ・アートなどの非物質的表現方法を支持する言説ときわめて密に関連している。本研究では、これら言説から抜け落ちていたオブジェクト指向の美術家ならびに映像を主たる表現手段とする美術家の活動を中心に調査を進める。
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研究成果の概要 |
本研究では、日本の現代美術において美術と親和性が低いものとして考えられ、看過されがちであった文学という芸術ジャンルを考察した。言語芸術によっていかに視覚芸術を描写するかが問題となるが、言語芸術は、視覚芸術を心的イメージとしてしか表象することはできない。それと同時に言語芸術と視覚芸術という二項は、少なくともイメージという共通項で結ばれているのである。本研究は次に、「もの派」を代表する韓国人の美術家、李禹煥に照準を定めた。李は1960年代後半から70年代前半にかけて、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」を牽引した。本研究では李の彫刻シリーズ〈関係項〉の展開と特徴を検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本ならびにアジア諸国の現代美術の理論と歴史を考察するものであった。研究成果は、主に下記の二つの仕事に大別される。一つは、日本の現代美術家における作品群を「文学」という視点から考察し、イメージとオブジェクトに内包される物語性を検証した。結果として、多様化する現代美術の表現形式をさらに細分化することが可能となった。もう一つは、韓国の美術家、李禹煥の仕事を検証することであった。1960年代後半の「もの派」時代から今日までの彫刻シリーズ〈関係項〉の展開を考察することで、そこに通底する李の芸術原理を明確化することができた。
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