研究課題/領域番号 |
19K00240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
小塩 さとみ 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70282902)
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研究分担者 |
山本 百合子 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (30294846)
金光 真理子 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (40466941)
増野 亜子 (城島 亜子 / 増野亜子) 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (50747160)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 伝統芸能 / 身体技法 / 教授法 / 次世代への伝承 / 地域文化の継承 / 多文化音楽理解 / オンラインでの教授 / 新型コロナウイルス対応 / 能狂言 / 異文化理解 / バリ(インドネシア) / 和楽器 / 身体技法の教授法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、異なる文化や価値観を認め合うための多文化音楽理解プログラムの基盤として、初心者が芸能の基本的な身体技法を身につけるための教授法を、2つの観点で比較する。第1は地域・ジャンルによる比較で、日本・韓国・インドネシアという3地域の芸能を対象とする。第2はコンテクストの違いで、初心者が身につけるべき身体技法、その教授法、伝統的な稽古、学校教育における音楽学習、コンクールに向けた練習、ワークショップ形式の体験学習等の異なる場を対象に調査し、比較する。最終的には、本研究の成果に基づいて音楽文化の違いを理解し、異なる文化の音楽を楽しむためのワークショップを開催する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、各メンバーが前年度までの調査研究の分析・考察や補足調査を行うとともに、その成果発表を行った。 小塩は東北地域を中心とした民俗芸能の調査、伝統芸能をこどもに教える場の観察、学校・大学での授業での民俗芸能や伝統芸能の教授に関する考察を行った。山本は長崎県の島原こども狂言教室と福岡における筑前琵琶の伝承活動を中心に調査考察を行った。増野はインドネシアのバリ島におけるガムランやバリ舞踊のレッスンについての調査を行った。金光は前年度の阿波踊りの伝承に関する考察と、学校における音楽教育における身体技法の教授をいかに理解するかについての考察を行った。 成果発表に関しては、小塩・山本・金光は、2回の共同発表を行った。1つは5月に開催された日本教育大学協会全国音楽部門第48回全国大会で、それぞれの勤務校における授業実践について、本研究で考察してきた身体技法に関する知見を盛り込んだ形で報告を行った。また3月に長崎県島原市教育委員会の主催による第288回市民文化講座での講演依頼を受け、本研究のこれまでの成果を一般市民に向けての市民に向けて話す機会を得た。小塩が昨年度に調査を行ったインドネシアバリ島での子ども対象の芸能教室(サンガル)について、金光が昨年度に調査を行った阿波踊りについて、山本が初年度より継続的に調査をしている島原子ども狂言について、地域社会での役割を中心に発表を行った。金光はこれに加えて、本研究のこれまでの成果も参照しながら「身体知」に関する論文を執筆した。また、増野は5th International Music and Performing Arts Conference にオンラインで参加し、招待講演としてバリ島でのサンガルの伝承について発表を行った。また書籍『コンクール文化論』の中でバリ島のコンクールにおける身体技法の変化について論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度と令和3年度にコロナウイルスの感染拡大により予定していた調査を行うことができず、オンラインでの音楽や芸能の教授を対象に調査・研究を行った。令和4年度にようやく現地調査を行うことができ、令和5年度にその調査結果の分析や考察を行ったが、本研究の全体を全メンバーで総括する作業をまた行うことができていない。そのため、令和5年度を最終年度とする予定であったが、1年研究期間を延長し、令和6年度に総括作業を行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施した調査は、コロナ期のオンラインを利用した芸能教授に関するものと、阿波踊りや島原子ども狂言、インドネシアバリ島のサンガルなど地域に根ざした芸能実践に関するものの、大きく2つに大別できる。研究会を対面またはオンラインで開催して、これらの成果を振り返り、伝統芸能の身体技法の教授に関する総合的な考察を行う。芸態の違い、芸能をめぐる状況の違いを踏まえた上で、調査対象の芸能において身体技法の教授がいかに行われているか、教授者が教える時に何を重要と考えどのような教授方法を用いているのか、教授を受ける学習者側はそれをどう受け止めているかなどについて、必要に応じて補足調査も行いながら検討を行いたい。また2025年1月に開催される国際学会 International Council for Traditions of Music and Dance(ICTMD)の大会に発表を申し込んでいるので、発表が採択されれば本研究の成果をこの学会で発表する予定である。
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