研究課題/領域番号 |
19K00246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
永吉 秀司 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40461842)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 日本画 / 仏画 / ローコスト / 現代日本画 / 再現 / 地域文化創生 / 文化醸成 / 文化資産創生 / 日本画材 / 仏教壁画 / 壁画制作 / ローコスト支持体 / 文化財保護 / 地域文化 / 文化継承 / 仏教絵画 / 古典絵画再現 / 地域資産創生 / 表現 / 壁画 / 伽藍装飾 / 弘長寺 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、住職不在の文化財に相応する神社仏閣も数多く存在し、将来文化財として大切にされるべきものが風化にさらされ、危惧する状況にある。 このような状況は、地方行政の財政と文化財の再現で必要とされる予算の金額に齟齬が生じている現状があり、その改善方法として、流通性のある建築建材を活用しローコストな支持体による壁画の再現方法を提案するものである。 尚、事業協力する寺院は、弘長年間(1261~1264年)に創設された弘長寺で、過去の修繕において壁画を撤去し白壁で塗り替えたという経緯がある。 そこでその壁面を中心に脱着可能なパネル型素材を活用して来迎芸術壁画を再現し、新たな地域資産創出の役割も担うものとする。
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研究実績の概要 |
ローコスト支持体を使用した仏教壁画の再現表現としての成果物である「雲中二十五菩薩来迎図」の「左舷・中央東側面・西側 」「左舷・中央東側面・東側」「左舷・中央面・東側面」の3壁面の作成と、研究成果報告の一環としてこれまで制作してきた極楽浄土「龍頭船図」、極楽浄土「鷁首船図」、蛙蓮図「喜怒」、蛙蓮図「哀楽」、紫雲白蓮図「紫雲左舷」「紫雲右舷」、紫雲白蓮図「白蓮」、蓮図「白色白光黄色黄光図」「青色青光赤色赤光図」、「青色青光黄色黄光図」「鸚鵡図」「蓮台往生図」「具会一処図」、再現画「紅白蓮図・右舷」、再現画「紅白蓮図・右舷祭壇下」、再現画「紅白蓮図・左舷、再現画「紅白蓮図・左舷祭壇下」の研究成果物と研究の概要を示したポスター掲示を、新潟県胎内市教育委員会協力のもと、胎内市美術館において『永吉秀司 新令和版弘長寺来迎図展』という企画展を現代日本画作品の展示も含め、10月14日~12月24日までの期間一般公開した。 推計入場者数としては、総計1163名の来場者で、胎内市44%、村上周辺11%、新発田・聖籠8%、新潟市周辺28%、長岡周辺3%、県外4%、という推計となっており少数ではあるが海外からの来場者もあった。 それに10月14日には作品解説会も実施し、関連企画ワークショップとして11月4日、12月16日、12月17に日本画体験ワークショップも企画し、どの関連企画も募集定員を超過する参加状況で、地域における文化醸成の一助となった。 また、これまでの研究の研究成果の概要と成果についてまとめた『祈り-引き継がれていくもの―永吉秀司日本画作品集 新令和版弘長寺来迎図解説』も発行し、文献資料としての見地からも今回の研究成果を地域社会に還元する一助として一定の成果を収めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウィルス拡大防止のための行動制限があったため、初動研究が遅れ、調査研究するための寺院(弘長寺)へ調査に行くことができなかったため、成果物を納める壁面の測量作業や周辺地域における文化財とその文化様式についての調査ができず、全体的に研究進度が遅れてる状況にあった。 また、本来ならフィールド研究で実態を明らかにする予定だった研究領域も、方法を変更し、行動制限がある中で研究継続をするため、文献資料から研究を進めるという方法を取り、この計画変更も大きな研究遅延の原因となった。 そのような状況にも関わらず、主たる研究対象である寺院(弘長寺)がある地域で、大規模な豪雨災害(新潟県村上集中豪雨2022.8)が発生し、水没は免れたが、寺院の一部が被災し研究遂行上困難な状況が約半年間続いた。 現在その遅れを取り戻すために、エフォート率を見直し、研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年完成予定だった研究成果物である「雲中二十五菩薩来迎図」の「右舷・中央西側面・西側」、「右舷・中央西側面・東側」、「右舷・中央面・西側面」の3壁面の制作を6月中に完成させ、その制作表現方法について文献資料としてまとめる。 また、右舷位牌堂下の戸板絵4面も10月までには完成させ、これらの制作表現方法についても文献としてまとめる。 この他にもこれまで調査研究した『ローコスト基底材について』『ローコスト描画材における表現方法について』『ローコスト支持体の基礎研究』に関連する研究成果を文献資料としてまとめ、書籍として刊行する。 また、研究成果発表として、新潟市歴史博物館(みなとぴあ)全面協力のもと、今年完成した研究成果物を加え、胎内市美術館でも中間報告として公開した研究成果物「雲中二十五菩薩来迎図」の「左舷・中央東側面・西側」、「左舷・中央東側面・東側」、「左舷・中央面・東側面」、極楽浄土「龍頭船図」、極楽浄土「鷁首船図」、蛙蓮図「喜怒」「哀楽」、紫雲白蓮図「紫雲左舷」、「紫雲右舷」「白蓮」、蓮図「白色白光黄色黄光図」「青色青光赤色赤光図」「青色青光黄色黄光図」「鸚鵡図」「蓮台往生図」「具会一処図」、再現画「紅白蓮図・右舷」、再現画「紅白蓮図・右舷祭壇下」、再現画「紅白蓮図・左舷」、再現画「紅白蓮図・左舷祭壇下」の研究成果物と研究の概要を示したポスター掲示を、新潟市歴史博物館の新収蔵作品展と連携する形で、12月に一般公開を予定している。
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