研究課題/領域番号 |
19K00247
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
湊 七雄 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (80436849)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ノントキシック版画技 / 環境対応型銅版画技法 / 非毒性版画技法 / 環境対応型インククリーナ / 環境対応型グランド / 環境対応型インククリーナー / ノントキシック版画技法 / 環境対応型銅版画グランド / 美術家の安全 / 公衆衛生 / 支援システム / 職業リスク / 芸術の健康被害 / 産業保健医 / 芸術労働者 / ノントキシック / 絵画 / 版画 / 美術作品制作環境改善 / 労働安全衛生 |
研究開始時の研究の概要 |
1980年代後半、美術家の健康と安全確保および環境保全への社会的ニーズが高まり、欧米の国々で作品制作環境のノントキシック化(非毒性化)が進んだが、わが国では、それらについて十分に検討されなかったため問題意識が共有されず、法整備や組織的対策に大きな遅れが生じている。美術家の特殊な雇用状態にも起因するが、美術家は依然、健康上のリスクを伴う労働環境に身を置いている。 本研究では、国際的な動向を調査研究し、美術家の危機管理意識改革と労働安全衛生水準向上を目指したい。研究成果は、わが国における美術家・美術教育機関の支援システム構築に活用する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、美術家の健康と安全確保およひ環境保全に関する欧米の先進の取り組みの内容を調査によって明らかにし、(1)美術家の危機管理意識改革、 (2)労働安全衛生水準の向上、 (3)美術家・美術教育機関の支援システムの構築に活用することである。 昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初予定していた海外での実地調査は実施できなかった。一方で、当初の計画では想定していなかったオンライン会議システムを活用した国内外の研究者らとの研究打ち合わせやインタビューのハードルが下がり、研究項目(1)(2)(3)ともに進展があった。 研究項目(1)(2)については、美術家の健康と環境保全をテーマとした8回シリーズの版画国際ワークショップ「Virtual World Tour」(米・ジーメイス版画研究所主催)にてオンラインレクチャーを担当し、研究開発した植物油由来の素材を用いた環境対応型 (ノントキシック)版画材料を紹介した。 研究項目(3)では、主に画材開発に取り組み、 ①UV硬化エッチング・グランド、 ②植物性エッチング・グランド、③植物性インククリーナー「KOME SOLV」、 ④低臭性インククリーナー「CLEAR SOLV ECO」、以上4点のテストサンプルが完成した。これら環境対応型のエッチング・グランドやクリーナーについて多角的に評価し、教育現場での実用性・実施可能性を探るべく、版画を学ぶ学生の他に、指導的立場にある版画家らに参加を依頼し、化学・材料学分野の専門家によるレクチャーやデモンストレーションを含めた公開研究会を行った。版画家、教育者、学生らによる実制作をとおした評価の過程で、いくつかの解決すべき技術的な問題が明らかになったが、次世代型の版画技法を支える基幹画材となり得る可能性を持つものと考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に、材料開発・教材開発で大きな進展があった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度も海外での実地調査は難しいと考えられる。国内外研究者とのオンラインでの研究会を定期的に開催するほか、環境対応型版画技法の教材作りに取り組み美術家の制作環境改善に資する。
|