研究課題/領域番号 |
19K00249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野澤 暁子 (野澤暁子 / 篠田暁子) 名古屋大学, 人文学研究科, 共同研究員 (20340599)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 文化遺産 / メディア / 身体 / ヒンドゥー・ジャワ / インドネシア / 芸能 / 中世ジャワ文芸 / 天女説話 / リテラシー / オラリティ / 映像 / アーカイブ / リビング・ヘリテージ / インドネシア文学 / 植民地時代 / テクスト実践 / ロンタル古文書 / 芸能文化 / コンタクト・ゾーン / 中世ジャワ / 無形文化遺産 / テクスト / 無形文化 / 身体伝承 / 映像アーカイブ / バリ芸能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では中世に東ジャワとバリ島で広まったスリ・タンジュン物語を事例に、バリ島の儀礼芸能としての発展に焦点をあてて分析を行う。なかでもこの演劇が流行した70年代と現代の事例との比較から、各時代背景との関係性を「罪」や「浄化」に対する解釈を含めて考察する。また、この身体伝承に関する映像アーカイブ活動を行うことにより、生きた文化伝承(リビング・ヘリテージ)のための実践的人文学研究の可能性を問う。
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研究成果の概要 |
本研究は、中世ヒンドゥー・ジャワ時代にインドネシアのジャワ島東部とバリ島で広まった天女伝説「スリ・タンジュン」を中心に、今世紀初頭からユネスコの新たな理念に加わった「リビング・ヘリテージ」の視座のもと、芸能文化の創造的伝承に資するアーカイブ構築の実践的研究を行うことを目的とする。本研究はバリ島におけるこの物語の伝承を焦点とし、「1938年にジャワ人文学者Prijonoが出版したバリ島発見の貝葉写本のスリ・タンジュン研究書」と「今日のバリ島における韻律詩としての口承技法」との比較を通じ、西欧近代が広めた書籍文化におけるリテラシー的解釈と伝統的なオラリティ文化それぞれの特質と差異を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Prijonoの研究書の分析を通じて明らかにしたのは、本著が当時のオランダにおける文献学的枠組みからスリ・タンジュン物語の起源と散文形式の文章化に尽力したことで、「読む物語」としての解釈のあり方を生んだことである。この知見をもとにバリ島で儀礼歌伝承者を対象に調査を行った結果、オリジナル写本を構成するWukir/Adriという韻律形式の身体知に内在する「規範と自由」が明らかとなった。そこで人間の思考を制約するメディアの問題をふまえながら、現地の口承技法を音楽人類学的に可視化するとともに、現地と協働で制作した伝承者の朗誦と演劇を組み合わせた映像作品のオンライン公開を通じて文化伝承の促進を図った。
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