研究課題/領域番号 |
19K00256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
鷲野 彰子 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (20625305)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 前奏演奏 / 即興演奏 / 録音 / 19世紀の演奏法 / 序奏 / 記譜 / ヨゼフ・ホフマン / ヴィルヘルム・バックハウス / 前奏 / 歴史的録音 / 楽譜 / 前奏演奏(Preluding) / 20世紀初期の録音 / 演奏会 / バックハウス / ライブ演奏 / 自由な即興 / 20世紀初期の演奏 / Preluding / 19世紀の演奏様式 / 前奏曲 / ピアノ教則本 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、19世紀における前奏演奏の役割と演奏方法を探るものであり、次の3種類の「前奏」について調査・分析する。つまり、①演奏会などで楽譜に書かれた部分の前に演奏者が自作して付加した前奏演奏、②作品の序奏部分として記譜された前奏、そして③独立した作品として書かれた前奏曲の3種類である。これら異なる3種類の「前奏」を、比較分析したり、あるいは関連させて捉えることで、演奏の際にどのような意味合いの元にどのような前奏が演奏されたか、作品の序奏部分と続く作品本体部分の関係はどのようなものであったか、そして出版された前奏曲が演奏会でどのように活用されていたか、を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究課題の目的は、文献情報のみでは捉えきることができなかった19世紀の演奏会等の場における即興の前奏演奏の役割や用いられ方について、録音資料を用いて解明することにある。 即興の前奏演奏が含まれる音源を収集・分析し、それらと19世紀の教則本の記載とをどのように関連づけることができるのかを検討した。さらに、楽曲の序奏等の冒頭部分と即興の前奏演奏の実践例(音源)との類似性について検討した。その結果、全部で63点の前奏演奏の実践例を見つけることができた。特にヨゼフ・ホフマンとヴィルヘルム・バックハウスの実践例を多く見つけることができたため、彼らの実践例を中心に分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、これまでスポットライトをほとんど浴びてこなかった、演奏する際の即興的前奏演奏の実践例(録音)に焦点をあてて詳細に調査したことにある。「消え物」であり「前座」的存在とみなされていた即興的前奏演奏であるが(しかも20世紀前半にはその演奏慣習自体もほとんど消滅してしまった)、録音された実践例を用いて文献情報のみからは捉えきれないその実態の解明に迫った。 本研究成果の社会的意義は、HIP(歴史的知識に基づく演奏)に興味が集まる昨今において、これまで手掛かりに欠けた前奏演奏の実践例を体系的に把握できるようにした点、そして記譜された楽譜の解釈に再考のヒントを与えた点にある。
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