研究課題/領域番号 |
19K00268
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 同志社大学 (2023) 富山大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
小野 直子 同志社大学, 文学部, 教授 (00303199)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アメリカ / 知的障害 / 精神薄弱 / 精神遅滞 / 優生学 / 権利 / 断種 / 人口 / ナチス / 婚姻 / 家族 / 兵役 / 障害 / シティズンシップ |
研究開始時の研究の概要 |
人種・民族・ジェンダーに基づく差別は、長い間その妥当性を疑われ、不合理な偏見であるとして非難されてきた。しかし、障害に基づく差別は、障害による身体的・精神的・知的差異故の当然の結果として広く受け入れられ、法的に正当化され、道徳的に必要であると見なされてさえいる。本研究では、アメリカ合衆国における知的障害者の権利の歴史を事例として、医療の専門化及び医療技術の発達が、市民としての権利を行使するために必要とされる能力や特性に関する認識にどのような影響を与えてきたのかを、歴史的に考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は、アメリカ合衆国における知的障害者の市民としての権利に対する認識の変化を明らかにしたものである。20世紀前半に、市民としての権利の中でも特に兵役、婚姻、生殖の権利に焦点を当て、知的障害者からそれらの権利を剥奪すべきか、あるいは付与すべきかをめぐって、知的障害者と日常的に接していた収容施設の関係者や医師、そして優生学運動に関与していた人々による議論を中心に分析した。それにより、市民としての権利を行使するために必要とされる能力や特性、政府の知的障害者に対する政策がこの時期に変化したことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、アメリカ合衆国において知的障害者がどの程度市民としての権利を行使することができるのかという問題に関して行われてきた議論に焦点を当てている。それはは、コミュニティの一員になるための基準、そしてその中で「差異」に対処する方法などに関する人々の見解を反映している。従ってそれを検討することは、市民としての権利を行使するためにどのような能力や特性が必要とされるのか、誰がそれを決定するのか、国家は市民の福利を促進するために扶助する義務があるのか、といったような普遍的な問題を考察することに寄与することができる。
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