研究課題/領域番号 |
19K00270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大塚 淳 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60743705)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 生物学の哲学 / 因果モデル / 進化的総合の拡張 / 進化ゲーム / 対称モノイダル圏 / 進化ゲーム理論 / プロセス因果 / 自然変換 / ニッチ構築 / 対称性 / 進化の単位 / モジュール / プライス方程式 / 進化生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
あらゆる科学理論は、固有の存在論を持つ。進化生物学における存在とは、それが進化するといわれるところのものである。しかしそれは生物個体なのか、遺伝子なのか、器官や形態、はたまた生物集団なのか。本研究は、群論という数理的手法を用いてこの問いにアプローチする。具体的には、進化法則を不変に保つ対称変換を明らかにすることで、その変換群に対して不変な対象として進化の存在論的ユニットを厳密に定式化する。また国際共同研究を通じて、この結果を進化生物学における選択/進化のレベルの議論に適用し、個体選択と集団選択モデルの間の異同を明らかにする。
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研究成果の概要 |
生物進化は、固定された環境だけでなく、同種・異種の競争相手、協同・利用関係、環境(ニッチ)の構築など、様々に変化する状況に対する適応として生じる。本研究では、こうした可変的な進化動態を、因果モデルとゲーム理論という異なる形式的手法を組み合わせることで、統一的に扱うことを可能にした。 また一方で我々は、同じ対象を、様々な粒度・レベルでモデリングすることができる。従来は、こうした異なる抽象度を持つ因果モデルがどのように互いに関連するのかを扱う手段がなかった。本研究では、圏論における「自然変換」という概念を援用することで、異なるレベルにおける因果モデル間を整合的に結びつける手法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「因果モデル」という、因果関係を形式的・定量的に扱う枠組みを用いて、生物集団の様々な進化の仕方・あり方を統一的に考察する視座を与えるものである。進化動態には様々な様式があり、それぞれ別個の(集団遺伝学やゲーム理論など)によって考察されてきた。本研究は、そうした数理的モデルの背景にある生物集団の因果構造をモデリングし、それらを互いに関連づけることによって、進化現象についての我々の理解を深めよるものである。
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