研究課題/領域番号 |
19K00273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
浜野 志保 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (90550666)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 境界科学 / 文化史 / 近代ドイツ / ダウジング / ドイツ / 大衆科学 / 代替医療 / 放射線 / 周縁科学 / ナチス / 疑似科学 / ドイツ科学史 / ナチズム |
研究開始時の研究の概要 |
1870年代から1900年代にかけて刊行されたダウジングに関する書籍およびダウジング関連の記事を掲載していた各種定期刊行物、当時のダウジング関連の各組織の会合の記録、放射線ダウジングについて書かれた戦間期の文献など、一次文献の調査を中心に行う。作業の効率化および経費の合理化のため、アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク心理学精神衛生境界領域研究所などのデータベースを活用し、可能な限りデジタル版での一次資料入手を試みる。デジタル版またはリプリント版などでの入手が不可能な資料については、ドイツでの資料調査を行う。
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研究成果の概要 |
19世紀末から20世紀前半にかけてドイツで流行したダウンジングについて、当時のダウジング研究組織の機関誌を中心に一次資料の調査を実施した。古くから行われていたダウジングが19世紀末に注目を集めたきっかけは、都市部の水不足という現実的な問題であったが、予防医学への意識の高まりや、ナチス・ドイツによる先史遺産研究などと結びつき、その目的が多様化していく。今回の研究を通じて、ある時代・地域における社会の状況を背景として、境界科学(Grenzwissenschaft / border science)がどのように支持を集め、どのように変質していくかという一事例の全貌を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ある時代・地域における社会の状況を背景として、境界科学(Grenzwissenschaft / border science)がどのように支持を集め、どのように変質していくかという一事例の全貌を明らかにした。文化史的な観点からの境界科学の研究は、文化史においても科学史においても取り組んでいる研究者が少ないテーマであり、その点において本研究は先駆的であると考える。また、境界科学の事例は現代社会においても多数存在し、その中には陰謀論などと結びついて社会を不安に陥れるものも少なくないので、その実態を解明することには十分な社会的意義があると考える。
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