研究課題/領域番号 |
19K00277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松本 俊吉 東海大学, スチューデントアチーブメントセンター, 教授 (00276784)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 進化心理学 / 適応主義 / 適応思考 / 発見法 / 進化生物学 / 生物学の哲学 / 還元主義バイアス / ブートストラップ戦略 / 進化的機能分析 / リバースエンジニアリング / 還元主義のバイアス / 自然選択 / 人間心理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は進化心理学の方法論を歴史的・批判的に検証し、現行の進化心理学における正当化可能な前提と、歴史的・付帯的要因によって採用された正当化不可能な前提とを腑分けすることにより、現在においてもいぜん影響力あるパイオニアたちの発想から自由な、より可塑的な人間心理の進化的研究の方向性を提言する。そのために、パイオニアたちが自らの研究プログラムの科学的正統性(仮説のテスト可能性)の論拠として挙げた「進化的機能分析」という推論法に着目し、それが彼らの意図した機能をどこまで果たしているかを様々な角度から検証する。本研究は「科学的であるとはいかなることか」という次元から進化心理学の基礎を問い直すものである。
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研究成果の概要 |
「本研究は、進化心理学の方法論を歴史的・批判的に検証し、現行の進化心理学における正当化可能な前提と、歴史的・付帯的要因によって採用された正当化され得ない前提を腑分けすることにより、現在においてもいぜん影響力あるパイオニアたちの発想から自由な、より可塑的な人間心理の進化的研究の方向性を提言する」という当初掲げた研究目的のうち、「~ことにより」までの前段は当初の目標をほぼ達成し、その成果を国際誌に発表した。ただし、「現在においても~」以降の後段に関しては現在も研究を継続中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進化心理学が採用する人間本性の生得論(例えば「モジュール集合体仮説: MMH」)は、社会的な制度改革や懲罰的な抑止策によって人間の非倫理的・反社会的な行動をどこまで後天的に(環境によって)矯正しうるかという問題、さらには犯罪行為の帰責問題などとも関係してくる、極めて大きな社会的含意をともなう立場である。1990年代以降現代にいたるまで彼らがほぼ無修正に採用しているこうした立場が、21 世紀のあらたな生命科学や脳神経科学の展開の中でどこまで維持されうるものであるのかを実証的に検討するというのが、この研究の背景にある一つの社会的動機であった。
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