研究課題/領域番号 |
19K00278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
山名 善之 東京理科大学, 理工学部建築学科, 教授 (70349843)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 旧仏領インドシナ / 鉄筋コンクリート / エヌビック / ブロサール・モパン / 植民地 / アーカイブズ / 技術伝播 / Brossard and Mopin / 鉄道 / アーカイブ / 近代建築史 / 雑誌 |
研究開始時の研究の概要 |
①旧仏領インドシナの鉄筋コンクリート技術に関する歴史資料の目録を所蔵先別に作成。②旧仏領インドシナの鉄筋コンクリート建造物に関する歴史的専門紙の目録を作成。③旧仏領インドシナの鉄筋コンクリート建造物の所在地・用途・規模のデータ ベース作成。④旧仏領インドシナの鉄筋コンクリート建造物の生産体制の確立状況、鉄筋コンクリート 技術の汎用化の変遷の概要を把握。文化遺産としての鉄筋コンクリート建造物の価値を技術面から補完する現地調査を行うための基礎資料を構築し、ベトナム、カンボジア、ラオスの大学、学術機関、イコモス、ドコモモなどと連携し文化遺産としての近現代建築の現地調査を国際共同研究として行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、植民地への鉄筋コンクリート技術の伝播という視点から、アーカイブズ調査に基づき次の2点を明らかにした。①エヌビック社が刊行した雑誌『べトン・アルメ』に紹介されたプロジェクトの分析により、インドシナを含む旧フランス領における作品が世界的な鉄筋コンクリート建築の広がりのなかでいかに紹介されていたかを明らかにした。②ブロサール・モパン社がシンガポールで鉄筋コンクリート技術を用いた建築事例を多く生み出し、その地域における技術普及の一翼を担ったことを、アーカイブスに保存された図面や文書資料から具体的に明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、植民地における近現代建築史においてこれまでに重視されてこなかった生産・技術史的視点をもち、鉄筋コンクリートという近代における新しい技術を用いて建築作品をつくった建設会社に焦点を当てている。本研究においてはブロサール・モパン社が具体的に英領シンガポールでどのような鉄筋コンクリート技術を展開させたかをアーカイブズの資料から明らかにしたことは、地域ごとの鉄筋コンクリート技術伝播の状況の違いを具体的に理解することが可能となる点において学術的に重要である。本研究による技術的な視点は今後のアジアにおける鉄筋コンクリート建造物の遺産評価を充実させることに貢献するものである。
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