研究課題/領域番号 |
19K00279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小島 智恵子 日本大学, 商学部, 教授 (70318319)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 科学技術史 / 原子力 / 高速増殖炉 / 放射性廃棄物 / 廃止措置 / 核燃料サイクル / 再処理 / 廃炉 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、原子炉の中でも高速増殖炉を事例としその廃止措置の歴史的過程を調査し、国際比較を行うものである。そしてそれらの結果をふまえ、2018年3月に原子力規制委員会により認可された日本の高速増殖炉もんじゅの廃止措置計画方針と高速増殖炉を要とする核燃料サイクル政策を再検討する。 高速増殖炉は、核燃料サイクルの中核として位置づけられ世界で約30基が開発されたが、そのうち4基が計画中止となり11基が廃止措置となった。本研究では世界で高速増殖炉開発を最も推進してきたフランスと高速増殖炉開発の推進から方向転換し開発中止を決定したドイツの廃止措置過程を主たる調査対象とし、両者の比較と日本への影響を分析する。
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研究成果の概要 |
フランスとドイツの高速増殖炉(FBR)廃止措置の歴史を調査した結果、フランスのFBR実証炉スーパーフェニックスの廃止措置の背景には、仏原子力庁と仏電力の対立があったことを技術者へのインタビューと新資料により裏付けた。ドイツのFBR原型炉SNR-300の計画中止については、チェルノブイリ原発事故の影響の他に、技術的な問題によりSNR-300が臨界に達していなかったことを要因として提示した。 仏独のFBR廃止措置の歴史を比較した結果、日本のFBR原型炉もんじゅの廃止措置の技術面に関しては、フランスの廃止措置を参考にするも、核燃料サイクル政策については、抜本的に問い直すことを提言した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、既存研究では扱われていないフランスとドイツのFBR廃止措置の歴史についてインタビューや新資料を基にその詳細を明らかにしたことである。 社会的意義の第1点目は、仏独のFBR廃止措置が日本のFBR原型炉もんじゅの廃止措置に与える影響を分析したこと、第2点目は、日本のFBR開発に関して廃止措置を前提に検討することを提言したことである。2022年1月に、アメリカテラパワーとアメリカエネルギー省のFBR開発計画にJAEAなどが参加することが発表された。新規にFBRを開発するということは、将来的にFBRの廃止措置に至るということを本研究により実証的に示したことは時宜に適っていると考える。
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