研究課題/領域番号 |
19K00281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
加藤 秀一 明治学院大学, 社会学部, 教授 (00247149)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 生命倫理 / 非同一性問題 / 人々の形而上学 / 生殖倫理 / 世代間倫理 / 記述的形而上学 / 生殖技術 / ゲノム編集 / 生殖テクノロジー / 遺伝子テクノロジー / 未来世代 / 社会学 / 形而上学 / ひとの同一性 / 遺伝子技術 / 人の同一性 / 概念分析の社会学 / 科学社会学 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝学・ゲノム学の成果が〈人々の形而上学〉にどのような影響を与えてきたか、また逆に、そもそも遺伝学・ゲノム学がいかなる〈人々の形而上学〉を土台として成立し、発展しえたのかを、各種素材・データの分析にもとづいて解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、遺伝学・ゲノム学にかかわる言説、とりわけ「非同一性問題」と呼ばれる存在論的パラドックスにかかわる言説の分析を通して、「人々の形而上学」(世界の基礎的な構造や基礎的な存在者の概念についての一般人たちによる理解)の一端を明らかにしようとした。その結果、「非同一性問題」は世代間倫理学の専門家による議論においては重要視されているものの、大衆的言説においてはしばしばそれとは無頓着な仕方で出産や出生について語られていること、そしてそうした違いは、「人の同一性」にかかわる存在者の貫時間的な同一性に関する理解の差異に淵源することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非同一性問題をめぐる議論において議論の究極の基盤はしばしば哲学・倫理学の専門家がもつ存在論的直観に置かれる。その際、そうした直観がどれほどの普遍性をもつのかについては、多くの場合に十分に検証されない。せいぜい実験哲学の名の下に、簡単なアンケート調査が試みられている程度である。本研究は、このような状況に対し、専門家と非専門家を区別せずにかれらの存在論的直観の一端を明るみに出したことに学術的意義がある。またこれは、生殖医療や環境政策に関わる倫理指針等を構築するための基礎作業として、中長期的には大きな社会的意義も有すると考えられる。
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