研究課題/領域番号 |
19K00294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
中森 康之 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 教授 (80320604)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 近世俳諧 / 芭蕉 / 支考 / 蝶夢 / 蕉門 / 思想 / 俳諧 / 俳論 / 芭蕉流 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の俳諧史は、芭蕉・蕪村・一茶を頂点とした発句中心の俳諧史だったため、近世後期の膨大な俳人と作品を評価せず、「俳諧とは、人間にとってどのような意味と価値を持つ言語行為なのか」という俳諧の本質も描けなかった。本研究は、俳諧史を「思想としての俳諧史」へと再構築することによって、それを克服しようとするものである。 具体的には、俳諧を最も本質的に論じた支考の『俳諧十論』の全訳注を行った上で、支考と蝶夢を軸に、近世中後期の俳諧観の具体的展開を明らかにする。またそのことによって、俳諧とは、「普通の人が日常の豊かな人間関係を生きる力を支える思想」であることを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、これまでの「芭蕉・蕪村・一茶を頂点とする発句の文学的価値による俳諧史」を、「思想としての俳諧史」へと再構築するための基礎研究である。具体的には、芭蕉『笈の小文』『おくのほそ道』序文、支考『葛の松原』の古池句誕生物語、『俳諧十論』、其角・土芳・惟然・許六・去来・野坡ら蕉門俳人の俳論俳話、蝶夢の俳論には、「思想としての俳諧(心の俳諧)」が共有されていることを明らかとした。またそれは「芭蕉流表現原理」を核とするものであることを提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最大の成果は、芭蕉や蕉門俳人に「思想としての俳諧」が共有されており、それは「芭蕉流」という概念で捉えることができることを提示したことによって、「芭蕉流」という視点からの芭蕉研究、蕉門研究の動きが起こったことである。また、支考(特に『俳諧十論』)や蝶夢が再評価されたことも本研究の成果である。これは、本研究課題の目的である、「芭蕉・蕪村・一茶を頂点とする発句の文学的価値による俳諧史」を、「思想としての俳諧史」へと再構築し、「俳諧とは、人間にとってどのような意味と価値を持つ言語行為なのか」という俳諧の本質を解明するための大きな契機となるものである。
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