研究課題/領域番号 |
19K00309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
増田 周子 関西大学, 文学部, 教授 (30294664)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | プロパガンダ / アジア太平洋戦争 / バタアン / 捕虜 / 亡命 / メディア / 戦犯管理所 / 撫順 / 北京 / 火野葦平 / 戦争 / 東アジア / フィリピン / 天皇 / 占領軍 / 新中国 / 大東亜共栄圏構想 / 河童伝説 / 行橋市 / 蕎麦の花 / 政治利用 / 雲南・フーコン戦 / 戦車 / 水木しげる / アジア・太平洋戦争 / 日中戦争 / 戦後 / グローバル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、従軍期間が長く、戦後は国際連携や平和活動に尽力した作家火野葦平を取り上げ、海外の研究者とも協力し多角的かつグローバルな視点で戦争とそれに連続する戦後問題を研究する。本研究は、未だ知られていない、火野の『従軍手帖』、『日記』、書簡、などの貴重な自筆文献記録資料を扱う。まずは、それらを翻刻、公開し、戦時中、そして戦後まもなくの、知られざる火野の「記憶」を「記録」から呼び起こし、戦争中や戦後に何があったのか、従軍作家として何を考えたのかなどを検討する。さらに、火野の文学や言説と比較対照して検討し、作品を詳細に分析し文学に内包されたテーマを探ることで、新たな知見を開く。
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研究実績の概要 |
2022年度は、火野葦平を中心とした戦争と文学、旅行記の一部、に関する研究を行った。特筆すべきこととして、一昨年度に行った関西大学東西学術研究所日本言語文化研究班と本科研費との共同で国際シンポジウム「戦争と文学の交渉―古代から近現代へ」の研究成果報告論文集の編纂に取り組んだ。本論文集は、基調講演として日本の研究者2名、外国人研究者3名をふくむ、合計11名の日本文学研究者に協力をお願いし、全員の執筆協力が得られた。捕虜、検閲、亡命、戦争協力や戦時下のメディアの問題など、戦争をめぐる多種多様な論考が寄せられた。こうして、それらの論考をまとめ、2,023年3月末日に、国際シンポジウム論集『戦争と文学の交渉―古代から近現代へ』(関西大学出版部)から刊行することができた。シンポジウム参加者全員から、論文を執筆していただき、国内外に発信することができたことは大きな成果であった。コロナ禍ではあったが、着実に研究が前進し、国内外の研究者との研究交流もできたことは、非常によかった。 さらに、1955年の火野葦平の中国旅行記の自筆資料を翻刻・紹介することができた。また、火野葦平資料館の坂口博氏や、火野葦平旧居管理人の方、さらには北九州文学館の館長および学芸員の方々と打ち合わせをし、交流をすることができた。その他、火野葦平の河童小説に関連する博物館展示の閲覧をし、大阪民族物博物館山中由里子先生や福岡市博物館の民話や民俗学研究者との話し合いをおこない、様々な研究に関連するお話を聞かせていただいた。学際的なつながりの中で研究をすすめられたことは収穫だった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
着実に、研究成果を、口頭発表や編著書ならびに論文として発表することができているから。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、火野の行動を後追いするフィールドワークや、河童小説の源流を探るフィールド調査を行いたい。
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