研究課題/領域番号 |
19K00310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
藤巻 和宏 近畿大学, 文芸学部, 教授 (00468878)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 寺院資料 / 文化財保存 / 真言密教 / 戦争 / 戦時教学 / 宗教統制 / 書誌学 / 文献学 / 近代学問 / 宗教と社会 |
研究開始時の研究の概要 |
宝珠院に所蔵される全文献資料を集成した目録を今年度中に完成させ、そこから近代資料を対象とする目録を作成し、これを本研究課題の基礎的データとする。そして、年代や書写・刊行者、内容等によって分類・整理し直し、まずは近代資料を概観できる状態にする。その上で、特に注目する明治前期と昭和戦時期の資料を中心に、詳細な書誌情報の記録と全冊撮影をおこなう。また、他寺院との関わりや、社会的・政治的背景からの分析を進め、特に重要な資料は解題を付して翻刻紹介をする。そして、宝珠院の事例から、広く近代寺院資料の重要性を、宗教・教育・政治という観点から再構築するための起点とする。
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研究成果の概要 |
本研究課題は2019~2021年度の3箇年の予定であったが、コロナ禍の影響で2020年度から寺院での資料調査を行うことが難しくなり、大幅に予定を変更し、2度の期間延長をした。 資料調査ができなかった時期は、近代仏教史についての先行研究を把握することに時間を割くとともに、寺院資料調査に不可欠な文献資料学についての研究集会と、近代仏教史研究の中でも重要な課題である仏教と戦争との関わりについてのシンポジウム「戦時下の仏教」を企画・開催した。 5年にわたり、資料調査とその整理(目録化)を中心としつつ、近代仏教史の研究動向の把握と関連企画の開催という複数の方角から、研究課題を進めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
各地で寺院資料の悉皆調査がおこなわれており、そのほとんどが前近代の寺院の実態を明らかにすることを目的としているなかにあって、本研究課題は近代の資料に注目するものである。 特に明治前期は、神仏分離や一宗一管長制により大きな変革を迎えた時期であり、また、昭和戦時期は、国策協力のために真言宗諸派が大真言宗として合併した時期である。これらの時期に注目することは、宝珠院という個別寺院の歴史を見る上で重要であるのみならず、学問史、宗教史、仏教史、そして大阪市という地域のなかで宝珠院を捉え直しつつ、明治政府の宗教政策や戦時下の総力戦体制を明らかにするための重要な事例として位置づけることが可能となる。
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