研究課題/領域番号 |
19K00317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
兼岡 理恵 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (70453735)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 風土記 / 受容 / 地誌 / 翻訳 / 編纂 / 注釈 / カール・フローレンツ / 芳賀矢一 / 享受 / 近代 / 風土記逸文 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、以下6つの課題に取り組む。 ①『纂訂古風土記逸文』『古風土記逸文考証』を中心とした栗田寛による風土記研究の具体的解明、②19世紀末~20世紀前半における風土記に関する言説の調査・分析、③19世紀末~20世紀前半における外国人日本学研究者(アストン、チェンバレン、ラフカディオ・ハーン、フローレンツ等)の著作等における風土記言説の考察、④海外における風土記翻訳・研究・伝播の研究と、同データベースの作成、⑤英語版風土記概説書の刊行と電子書籍の作成、⑥風土記受容・言説史データベースの作成
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研究実績の概要 |
本年度は、従来の風土記英訳の成果を踏まえつつ、現在なお出版されていない風土記の研究入門書(英語版)刊行に向けて、研究協力者であるディビット・ルーリー氏(米・コロンビア大学)と研究打ち合わせを行うとともに、同大学院生・若手研究者と海外研究者が風土記研究を行う際に盛り込むべき内容〔専門用語の英訳、語句説明の方法〕に関するディスカッションを行い、刊行予定書の構成を検討した。また同大で開催された風土記に関するワークショップ(Tsuchigumo/Fudoki Workshop)にて、風土記の編纂から近現代における受容をテーマとした発表を行った(“Reception and Research of Fudoki : Past, Present, and Future”2023.3.10)。 また風土記の編纂・内容に関する研究成果として、東京大学国語国文学会公開シンポジウム「ことばの地域性」(2022.4.23 於:東京大学)にパネリストとして参加し、古代日本における地域の言葉を記す文献としての風土記の価値、また風土記から考える「地域」の問題について発表した(「古代における地域のことばー風土記を中心に-」)。さらにアジア・世界における「地誌」という観点から風土記の位置付けを検討した「風土記から見えるもの―古代日本における地域意識ー」(『地誌史誌研究の現在』勉誠出版 2023刊行予定)を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、予定していた調査出張が行えず、2022年度までの研究期間を1年延長することになった。しかし2022年度末にコロンビア大に赴き、研究協力者との研究打ち合わせ等が進んだこと、また今夏(2023年5~8月)にも同氏が来日するため打ち合わせを進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは主に近現代・日本における風土記享受、および明治期の風土記翻訳について検討してきた。しかし英語圏以外の風土記翻訳や、諸外国で翻訳が為された時代的・研究史的背景については検討が不十分ゆえ、今後研究を進める予定である。 またこの成果をふまえた風土記研究入門書(英語版)を刊行予定であるが、それに関して日本における風土記の教科書採用、従来の文学史や概説書における掲載箇所等についての分析を行うことで、国内外における風土記の享受および今後の研究・発信の方向性について検討を進める。
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