研究課題/領域番号 |
19K00330
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
鈴木 彰 立教大学, 文学部, 教授 (40287941)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 日本中世文学 / 〈文芸としての覚書〉 / 文禄・慶長の役/壬辰倭乱 / 軍記物語 / 語り物文芸 / 幸若舞曲 / 〈文芸しての覚書〉 / 文禄・慶長の役 / 壬辰倭乱 / 壬辰・丁酉倭乱 / 軍記 / 中世近世移行期 / 文芸環境 / 資料学 / 中世近世移行期の文芸環境 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、主に17世紀に入ってから、戦場を体験した武士とその子孫たちが、自らの体験や戦功などを記した〈覚書〉と呼ばれる資料群について、その文芸資料としての価値や意義を検討する。これらは諸文芸の受容史をものがたる貴重な資料群であり、かつそれら自体が当該期の文芸そのものとして評価すべきものである。まずはその伝存状況の把握し、そのなかでとくに文禄・慶長の役に関する記事に焦点をしぼって、その文芸資料としての意義の解明と定位をめざす。その際、日本と韓国の諸地域における対外意識と自己認識の多様性や偏差の把握にも取り組む。こうして中世近世移行期の文学史理解をより豊かにとらえ直すことを試みる。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、16世紀後半の戦場を体験した武士とその子孫たちが、その戦場体験や戦功などを記した〈覚書〉と呼ばれる資料群について、とくに文禄・慶長の役に関するものに絞って、①伝存状況の把握、②文芸資料としての意義の解明と定位を試みことであった。その成果として、大島忠泰・山田聖栄ら薩摩藩関係者の文事、渡海記・漂流記という観点からみた覚書の特質、戦争捕虜に関する特殊な用語についての理解などについて、従来の理解を更新したり、新事実を発見したりすることができた。ただし、社会状況の影響で国内外の資料調査を大幅に縮小せざるをえず、研究全体の進み具合は当初の目標に比べると遅れることになってしまった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、〈文芸としての覚書〉という視点を設定し、従来、文芸資料としての総体把握がなれていなかった「覚書」(とくに文禄・慶長の役に関わるもの)について、その伝存状況の把握とその意義の解明と定位を試みた。全国的にみても特筆すべき文事を実践していた薩摩藩士の発掘や、「てるま」「かくせい」という文禄・慶長の役の際の朝鮮人捕虜に関する特殊な用語についての理解を更新したことなどは、文学研究のみならず他領域の研究にも波及する成果と考えている。また、これらの成果を鹿児島や韓国、第16回EAJS大会において口頭発表や論文(含韓国語)として公表し、地域史の更新や国際学術交流の推進にも関与することができた。
|