研究課題/領域番号 |
19K00331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高松 寿夫 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40287933)
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研究分担者 |
土佐 朋子 佛教大学, 文学部, 教授 (00390427)
井實 充史 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (20277776)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 懐風藻 / 日本上代の文筆活動 / 詩序 / 漢文伝 / 日本漢詩 / 日本漢文 / 8世紀日本の文筆活動 / 日本書紀 / 文筆活動 / 上代文学 / 和漢比較文学 |
研究開始時の研究の概要 |
『懐風藻』の詳細な注釈作りをとおして、上代日本の文筆状況の把握を目指す研究。 日本では奈良時代まで、日常的な表記に利用できる唯一の文字が漢字であった。この時期に作成されたテキストは、すべて漢字文であった。そのため、この時期の人びとの漢字・漢文の学習・使用の実態を把握することが、極めて重要である。 日本上代の文筆状況をうかがわせる資料の中で『懐風藻』は、収録の作品が文学的意匠をこらした漢詩であり、加えて宴席詩が多い。このことから、ある程度の集団的広がりの中で共有されていた語彙や知識をうかがうのに恰好な資料である。『懐風藻』の詳細な注解作業により、具体的・実態的な文筆状況の把握が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究の中心的事業は『懐風藻』の注釈の作成であった。共同研究として注釈作業を行い、討議を通して個人の考察を相対化しつつ、期間的にも比較的短期間で完了させるという、共同研究の利点を最大限に活かした、新しい『懐風藻』の全注釈を作るべく、都合11名のメンバーで研究会を継続的に開催した。途中、2020年度からの新型コロナウィルス感染症の流行によって、一時的に研究の中断や、研究会の開催方法の変更等を余儀なくされたが、2021年度の前半で、すべての詩文の検討を終了することができた。その後、研究会における討議の結果を反映させた注釈原稿の改稿や調整、とりまとめの作業段階に入っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『懐風藻』の新たな全注釈の提供によって、問題点の多い内容について、研究者や一般読者の理解を助け、飛鳥時代~奈良時代前半(7世紀後半~8世紀半ば)の日本漢詩文へのアプローチを現状より容易にすることが可能となる。注釈の作成にあたっては、近年様々に充実しつつある漢詩文のデータベースを利用しつつ、従来以上に用例を丁寧に洗い出すことを重視したので、用例に裏付けられた適切な解釈を示すことができた。
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