研究課題/領域番号 |
19K00336
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
|
研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
牛 承彪 関西外国語大学, 英語国際学部, 教授 (20460842)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 比較研究 / 歌謡 / 歌掛け / 儀礼 / トン族 / 比較文学 |
研究開始時の研究の概要 |
歌掛けという歌謡の対唱形式は東アジアに特徴的にみられる。その発生や伝承には人々の生活様式や習俗・信仰などが土台になっている。本研究は、儀礼という特殊な時空間における歌の掛け合い習俗に焦点を当て、文学・音楽学・文化人類学・民俗学などを含めた多分野からの総合的考察と日中間の比較という二つの方法を用いて調査・研究を進める。対象は、 日本では奄美諸島の祭祀行事における歌舞のなかに濃厚に伝承されている歌掛け、中国では生活全般に歌が浸透している西南少数民族トン族の歌掛けである。両国の事例を相互補完的に考察し、儀礼と歌謡との関係を構造的、論理的に分析することによって歌掛け、及び歌謡の本質に迫る。
|
研究実績の概要 |
コロナウィルスの影響により、海外の実地調査を重点に置いた本研究は厳しい局面を迎えることになった。このような状況の中、本人が研究代表者として2011年から行った二つの研究(「中国トン族歌謡の実態と伝承についての研究-「歌師」の役割を中心に-」「中国トン族歌掛けの生態についての研究―「鼓楼大歌」「行歌坐夜」「歌会」を対象に―」)、及び本研究の実地調査(2019年のみ)で蓄積してきた写真・映像・音声資料の文字整理へと方向転換した。 これまでは『研究報告書』(計三冊)で大部分の資料をまとめあげたが、文字整理を行っていない部分もあった。令和4年度では主としてこれらの文字整理作業を行った。現在完成したのは現地の協力者との会話(インタビュー)の部分、貴州省従江県高増郷小黄村における酒歌などの文字起こしである。またトン族協力者の協力で琵琶歌・路塞ぎの歌・酒歌の遂字訳も行った。 そのほか、研究成果を社会に還元することを目指し、まとめの作業を継続した。今年度で完成したのは2011年から2018年までの現地における調査記録(紀行文)13万文字である。今後は出版に向けて修正・翻訳する計画である。また昨年に続き、公開出版へ向けてまとめの作業を進めた。研究分担者と共著の形で47万字の原稿(8万字の歌謡資料を含む)を完成し、現在は出版社に渡した段階である。歌謡学会、歌謡研究会などにおいても研究成果を口頭で発表を行い、論文2篇を学会誌で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウィルスの影響により、これまでの実地調査で得た映像・音声の文字整理へと研究計画を調整した。今年度の作業を順調に進むことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)実地調査で得た映像・音声資料の文字整理作業を継続する。 (2)公開出版に向けてまとめの作業を継続する。 (3)今後の情勢を見極めながら、可能な限り現地調査を再開する。
|