研究課題/領域番号 |
19K00343
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日比 嘉高 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (80334019)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 外地 / 書店 / 取次 / 書物流通 / 朝鮮 / 満洲 / 台湾 / 小売書店 / 外地書店 / 引揚げ / 古書店 / 大連 / 新京 / サンパウロ / ブエノスアイレス / 内山書店 / 内山完造 / 北京 / 企業整備 / 共同仕入体 / 読者隣組 / 統制経済 / 南洋 / 上海 / 樺太 / 満洲書籍配給株式会社 / 書物 / 流通 / ネットワーク / 植民地 / 文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第二次世界大戦以前の日本語の書物流通を、小売書店と取次書店のネットワークに着目しながら、その物質的な基盤とネットワークの機能、そしてそれらが日本語圏における文化生成において果たした役割を調査・考究するものである。具体的には、①内地と外地を横断するグローバルな書物流通の歴史と機能についての実証的な全体像を示し、かつ理論的な省察を提示すること、② 第二次世界大戦以前 における中国と南洋諸島とハワイにおける日本語書店、および丸善など欧米系書籍を扱った書店の活動を掘り起こすこと、③ 戦前期に外地へ運ばれた日本語書物がどの程度デジタル化されているかの基礎調査を試みること、の3点を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、明治期から第二次世界大戦以前における日本語の書物流通を、外地における小売書店の活動と、内地外地を結んだ取次書店の足跡を追いかけながら、これら書店の歴史的実態、ネットワークの機能、そしてそれらが日本語圏における文化生成において果たした役割を調査・考究したものである。 研究は地域ごとに進め、台湾、樺太、満洲について2019年度に、外地書店の引揚げと北南米について2020年度に、上海の内山書店および戦時下における内地外地の書店の転廃業、また南洋について2021年度に、外地書店の引揚げと、戦後の内地における書店の叢生について2022年度に考察と報告を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義、社会的意義は以下のように示すことができる。一つには物への着目と実証的な掘り起こしである。本研究は物としての書物とそれを販売した小売および取次業者に注目し、それらの足跡を実証的に掘り起こした。二つには、ネットワークへの着目である。書物を運んだ物流に関わる、人と組織の役割、歴史的展開、空間的配置、法的規制について実証的に調査し、かつ物流に関わる現代的な理論的考察を参照することにより、物と人が織りなす文化の編み目のダイナミズムを提示した。三つには、書物流通の観点から国境を越えた書物ネットワークの広域的見取り図の提示を行ったことである。
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