研究課題/領域番号 |
19K00345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
青木 亮人 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (90647364)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 近代俳句 / 日系移民1世 / 日本語俳句 / アメリカ強制収容所 / 日本語近代文学 / アメリカ日系移民 / 日本近代俳句 / 海外俳句 / 日米文化 / 日本近代史 / 日本近代文学 |
研究開始時の研究の概要 |
アメリカ日系移民一世が詠んだ俳句・短歌を包括的に研究する。アメリカに渡り、ほぼ日本語しか出来なかった一世移民が母国語で伝統韻文を詠んだ際、彼らの言語表象からうかがえる「日本」とはいかなるものだったのか、また当時のアメリカにおける日系移民を取り巻く生活状況等がいかに表現され、何が表現されなかったかを研究する。特に太平洋戦争勃発後、強制収容所に隔離された日系移民一世に注目して研究する。
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研究成果の概要 |
本研究は、アメリカ日系移民一世が太平洋戦争時に強制収容所に収容された状況下において日本語の短詩型文学である俳句を詠み続けたことに着目し、その作品を研究した内容である。 研究の結果、類型的な作品が多く、季語も類型的な季節感を有する作品が多かった。しかし、その類型的な作風にこそ収容所内の日系移民一世は安堵と望郷の念を抱くことができたことが作品分析から判明した。つまり、彼らは文学表現としての傑作を詠もうと日々努力したわけではなく、秘かに日本文化に触れ続ける契機として俳句に親しんだのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、従来専門的な見地から分析や意義、研究がなされなかったアメリカ日系移民一世の収容所内での俳句作品を解釈することで、類型的な俳句作品にむしろ意義を見出した点にある。それは日本語を母語とする日系移民一世が収容所内におけるアイデンティティをいかに定立するかにも密接に関連し、その点を明らかに出来た意義がある。この意義は、今後、ますます多様化かつ国際化される社会において、また日本とアメリカ両国間における歴史、文化の意義を考察する際に大きな知見を寄与することができると考えられる。
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