研究課題/領域番号 |
19K00352
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 上智大学 (2020-2023) 大正大学 (2019) |
研究代表者 |
山本 章博 上智大学, 文学部, 教授 (70733955)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 浄土教 / 南無阿弥陀仏 / 和歌 / 空也上人 / 慈円 / 法然上人 / 西行法師 / 一遍上人 / 藤原家隆 / 時宗 / 西行 / 祈願 / 四十八願 / 他阿 / 月 / 罪 / 釈教歌 / 浄土宗 / 聖 |
研究開始時の研究の概要 |
僧侶・聖の和歌史を構築する。中でも浄土教の聖の和歌の系譜は脈々と流れており、その全体像を明らかにすることを目的とする。具体的には、空也・西行・慈円・法然・一遍・他阿・蓮如の各上人を中心とする。また、この浄土教和歌史は、各上人が詠んだ真作に限らず、民間で生成していった偽作の和歌(伝承歌)も含める。庶民がこれらの上人の歌をどのように受容し、どのように生きる糧としていったのかを解明する。
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研究実績の概要 |
今年度の成果としては、仏教文学会・和歌文学会合同シンポジウム「中世釈教歌の可能性」(2023年12月)における口頭発表「南無阿弥陀仏と和歌」が挙げられる。この発表は、浄土教和歌史の研究の総括として、平安から鎌倉にかけての「南無阿弥陀仏」あるいは「阿弥陀仏」を詠み込んだ歌の系譜をたどり、浄土教和歌の歴史的展開を見通したものである。空也上人の「ひとたびも南無阿弥陀仏といふ人の蓮の上にのぼらぬはなし」をその始発に位置付け、その後、選子内親王、俊頼、教長、西行、慈円、家隆などの作品をたどり、中でも画期的作品として『有房集』の七首、慈円の「厭離欣求百首」等を取り上げ、法然上人、一遍上人への系譜を描いた。特に、慈円においては、和歌を詠む行為と念仏修行とが極めて近いものとして認識されている。浄土教との関連で和歌を考えることは、和歌を詠む行為の意味を問うことでもある。この口頭発表は、成稿化し、次年度『仏教文学』(仏教文学会)に掲載される予定である。 一方、個別の歌人では引き続き慈円に焦点を当て、慈円の釈教歌の中に法華信仰と阿弥陀信仰がどのように見られ、どのように共存しているのかを分析している。この分析は、釈教歌において、なぜ法華経の歌と浄土教の歌の二つの大きな流れができたのか、という大きな問題につながると考えられる。また、法然の和歌についての資料を収集し、昨年度に集成した一遍上人の和歌とともに、注釈的研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで歌人の個別研究を主としていたが、上記の口頭発表「南無阿弥陀仏と和歌」において、浄土教和歌の歴史的展開を広く捉えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、慈円の和歌の分析を中核に据えたい。慈円については、その著作聖教類が整理されてきているが、これらとの関連を視野に入れながら、宗教活動の中での和歌の位置付けについて分析を進めたい。上記の口頭発表において、慈円以前を中心に展開をまとめたが、慈円以降についてもまとめていきたい。
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