研究課題/領域番号 |
19K00370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
大平 幸代 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (90351725)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 地方志 / 世説新語 / 志怪 / 山水 / 武人 / 恩倖 / 徐爰 / 賦注 / 北伐 / 観世音応験記 / 晩渡武人 / 仏教説話 / 劉宋 / 裴松之 / 魏晋南北朝 / 古小説 / 会稽典録 / 地志 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、詩文創作、書物編纂あるいは説話伝承の場としての「地方官吏の文学空間」に着目し、晋宋時期の文学のありようを明らかにしようとするものである。晋宋期には、各地に、地方官吏・豪族・僧侶・隠士などが関わる、学問や詩文創作の場が形成された。本研究では、当時の学術や詩文の主要テーマであった山水と神怪(神明)を、地方官吏とその周辺の人々がどのように探求し、表現したのかについて、詩文や地志、志怪書などの文献を用いて総合的に考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は、晋宋期における地方官吏の著述活動について考察したものである。この時期には、地方の風俗や伝説を記録した地方志が多数編纂された。地方の官吏は、当地の孝子孝女が起こした奇跡や、山中の神秘的な事象を記録した。本研究では、豫章、会稽、彭城の三地点について、神秘的な伝説や著名人の逸話が、どのような意味を持ち、どのように記録されたのかを分析した。また、各地の伝説が小説集に収録された際に、どのように変化したのかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地方志や従軍記、正史や別伝等の諸記録を参照しながら、説話(軼事小説、志怪小説)を読みなおし、晋宋期における地域社会のありようや武人集団の信仰・文芸活動の一端を明らかにした。本研究は、『世説新語』や「桃花源記」といった中国古典小説作品に新たな解釈の可能性を示すとともに、説話や詩賦の整理分析による中国中古社会文化史研究の有効性を示すものでもある。研究成果は、中国と台湾の国際学会で発表し、国内外の学術雑誌に掲載された。
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