研究課題/領域番号 |
19K00375
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
小松 謙 京都府立大学, 文学部, 教授 (00195843)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 水滸伝 / 翻訳 / 注釈 / 金聖歎 / 版本 / 批評 / 白話 / 金瓶梅 / 訳注 / 校勘 / 李卓吾 / 水滸伝と金瓶梅の研究 / 詳注全訳水滸伝 / 白話小説 / 中国語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、『水滸伝』に徹底した本文批判を加えた上で、詳細な注釈を加え、日本語訳を作成しようとするものである。『水滸伝』について、思想書・歴史書・伝統詩文の場合のような、精密な本文批判と考証を経た例はない。本研究においては、『水滸伝』本文を学術的研究の対象として取り上げることにより、その文学的意義を明らかにするとともに、近代的読書の成立、中国語の発展についても考察することを目指す。具体的には、諸版本間の本文異同を踏まえ、注釈でそれら本文異同の持つ意味を示しながら、原文の文体に適合する訳文を作成し、更に文中に見えるさまざまな名称や言語的問題にも考証を加えて、その全体像を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本課題の前提となる『水滸伝』諸版本の関係と本文変化の状況について詳細な考察を加え、あわせて『水滸伝』と密接な関わりを持つ『金瓶梅』の作者を解明した著著『水滸伝と金瓶梅の研究』を2020年に汲古書院から刊行した。 同書の成果を踏まえて、本課題の目標である『詳注全訳水滸伝』の執筆を進め、2021年8月に第一巻、2022年4月に第二巻を刊行した。同書は、主要版本間の異同をすべて指摘して異同の生じた原因を考察し、容与堂本・金聖歎本の批評を全訳し、語彙や出典、官職制度などについての詳細な注を施した上で全文を翻訳したものである。 他方で、主催する敦煌変文研究会の成果として訳注を多数共著で発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『水滸伝と金瓶梅の研究』においては、これまで明確な結論が得られていなかった『水滸伝』諸本の継承関係と『金瓶梅』の作者は誰かという大きな問題について、十分な根拠を示しつつ明快な結論を出した。 同書を踏まえて刊行を開始した『詳注全訳水滸伝』は、主要版本間の異同のすべてと批評の全訳を含めた詳細な注釈を附し、原文を細部まで忠実に翻訳したもので、世界的に見てもこれまで例のない画期的なものといっても過言ではない。 『水滸伝』『金瓶梅』が中国・日本の双方において非常に強い影響力を持ち、今日も愛読者が多い点に鑑みて、これらの研究は社会的にも大きな意義を持つものと考えられる。
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