研究課題/領域番号 |
19K00378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
佐藤 普美子 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (60119427)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 中国新詩 / 公共性 / 倫理感覚 / 美感 / 女性詩歌 / 台湾現代詩 / 馮至 / 共感 / 美的経験 |
研究開始時の研究の概要 |
20世紀中国の「新詩」は、価値の転変する動乱の時代に、社会や共同体成員が共有する関心、審美意識、倫理感覚をどう表現し、新しい価値観念や共通感覚を創造する役割を果たしたのか。本研究は、中国新詩固有の<公共性>に着目し、個人と共同体の抒情表現がどのように関わり合い変容していったか、またそれを促した文学資源としての外国詩の翻訳や西洋詩学の受容を明らかにすることで、<公共性>の観点から近百年の中国新詩を展望し、それらを体系づける試みである。
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研究成果の概要 |
中国の口語自由詩「新詩」は20世紀初頭の思想解放運動の中で誕生した。本研究は主として1920年代から40年代の中国に生きる詩人の複雑な感覚や情緒を表現した作品に注目し、それらに見える個人と共同体の葛藤、審美意識と倫理感覚について考察を行った。これによって、新詩は西洋のモダニズム詩や詩学の啓発を受けて、中国語や中国文学を相対化する機会を得たこと、さらに伝統的中国古典の再読が詩的言語の発見と創造を促し、新詩の公共性を探求する手がかりを提供したことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中国古典詩が「漢詩」として広く一般に認知され、一定量の紹介や研究の蓄積があるのとは対照的に、20世紀中国新詩の翻訳や紹介はごく少数で、一般にはほとんど知られていない。本研究は、新詩が新しい抒情のスタイルを持つだけではなく、審美意識や倫理的思考に作用する批評性と公共性を備えることを明らかにした点に学術的意義がある。また、本研究の成果である雑誌や図書の刊行によって、20世紀中国社会に生きた人々の思考や感情について、詩のことばを通して理解する機会を一般の読者に提供したことに社会的意義がある。
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