研究課題/領域番号 |
19K00381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
芳村 弘道 立命館大学, 文学部, 教授 (50330006)
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研究分担者 |
富 嘉吟 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (00802696)
萩原 正樹 立命館大学, 文学部, 教授 (20250532)
JIN CHUNYU 立命館大学, 立命館アジア・日本研究機構, 研究員 (60865228)
住吉 朋彦 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (80327668)
CHAN CHIENHUI 立命館大学, 立命館アジア・日本研究機構, 研究員 (60834512)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 漢籍 / 唐本 / 書籍流通 / 朝鮮渡り唐本 / 東アジア学術交流 / 東アジア漢籍交流 / 日中韓文化交流 / 朝鮮改装本 |
研究開始時の研究の概要 |
中国で生まれた漢字は、朝鮮半島や日本に伝播し、東洋の漢字文化圏を築いた。その媒介となったのが主として書籍の形態をとった漢字文献であった。古代の日本において、朝鮮半島から学者とともに『論語』などの漢籍がもたらされた『古事記』の記事は、そのことを物語っている。漢籍による文化交流は、東アジアの伝統文化を理解する上で重要な位置を占めている。本研究は、この重要性に着目し、書物を通しての交流により、古代から近代に至るまで東アジア地域の文化がいかに展開したかを考察し、東洋の漢字文化圏の今日的な意義を改めて認識し、現在の東アジア社会の根柢に流れる漢字文化の不変的価値を明らかにしようとするものである。
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研究成果の概要 |
「朝鮮渡り唐本」とは朝鮮半島を経由して日本に伝来した中国で出版または筆写された漢籍である。OPACや全国漢籍データーべースなどの電子情報、各所蔵機関の藏書目録を参考利用して基礎的所在目録を作成した。その結果220余部を確認。これをもとに国内の所蔵機関(京都大学・東京大学・東京都立中央図書館・慶應大学・同志社大学など)の蔵本を閲覧・調査した結果、朝鮮の著名学者の旧蔵本が多数存在することが明らかになった。また韓国の調査も行い、近代になって日本から再び朝鮮半島に回帰した「朝鮮渡り唐本」を確認し、日中韓の書籍交流の実態に新たな知見を加えることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで朝鮮半島から日本に伝来した唐本は着目されることが稀で、この研究は「朝鮮渡り唐本」の専門的な調査、研究の開拓者となった。調査結果から、現存の「朝鮮渡り唐本」が質量ともに誇りうることが判明し、東アジアの学術研究の重要資料として認識する必要性を呈示し得た。また豊臣秀吉時代や近代における朝鮮半島から日本への唐本の伝来だけでなく、日本から海外への「朝鮮渡り唐本」の移動があったことを本研究によって解明し、書籍の伝播、流通が東アジアの歴史・社会情勢の潮流に影響されてきたことを確認し得た。
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