研究課題/領域番号 |
19K00384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 大阪成蹊短期大学 |
研究代表者 |
浅野 法子 大阪成蹊短期大学, グローバルコミュニケーション学科, 教授 (60759306)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 児童文学 / 児童文化 / 児童サービス / 中国文化 / 絵本 / 読書 / 中国文学 / 比較文化 / 中国児童文学 / 比較文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、21世紀に普及しはじめた新しいメディアである中国の絵本を取り上げ、その絵本表現の検証と、絵本の環境調査を通して、中国における絵本文化の様相を解明するものである。これまで中国の児童書を日本との比較文化研究の視座から検証するなかで、中国の絵本表現にその独特な発展過程を見出した。 本研究では、これらの研究成果を発展させ、中国絵本史の構築を目的とする。主に、絵本前史となる1950年代後半から1980年代に出版された図画故事書や、現在の絵本表現について検証する。また、図書館や教育現場における絵本の受容について調査する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、これまでの研究調査をもとに取りまとめることを意識した。主な研究成果には以下のものがある。 まず、論文1件では、本研究で追ってきた絵本の前身と考えられる「図画故事」についてまとめた。建国以降のナショナルカリキュラムや児童書出版社の目録に示された「図画故事」に関する記述をおさえ、1980年代に少年児童出版社より出版されたシリーズについて表現の検証をした。(「中国の「図画故事」から絵本まで ―児童文化財である絵本の文化的潮流に着目して―」大阪成蹊短期大学研究紀要21号、令和6年3月) 次に、研究発表2件では絵本表現と翻訳受容に関する考察をした。絵本学会第26回研究大会にて「中国語圏における絵本表現の現在」と題した口頭発表をした。台湾や香港は中国よりも早くに絵本文化を確立させており、それぞれには独自の絵本表現がみられることを指摘した。日本児童文学学会第154回関西例会にてラウンドテーブル「日本における中国児童文学の翻訳の流れ」の話題提供を担当し、中華圏の翻訳者である中由美子の翻訳作品を取り上げた。絵本では中国の昔話や文化を紹介するものや、平和へのメッセージが込められた作品が日本で出版され、受容されている。 上記のほか、読書環境に関する資料収集を進めてきたが、環境調査の実地調査ができればと考え、延長を申請した。次年度にも方向性を模索するが、それが叶わない場合には成果の上げ方を検討し、絵本の環境調査を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響により、当初の研究計画に大幅な軌道修正を加えながら研究を進めてきた。絵本の環境調査が進んでいないものの、絵本表現の検証については研究を重ねており、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度には中国での環境調査及び資料収集を実施できたが、令和2年度以降はコロナ禍の影響を受け、現地訪問ができていない。その一方で、資料収集をしながら絵本の萌芽期から現在までの表現検証については当初の予定通りに進めており、国内外の研究大会で口頭発表を実施することができた。同時に紀要等にて論文発表も進めている。 令和6年度は、状況が好転すれば現地視察をする予定であるが、文献やデータからの環境調査への切り替えも検討する。最終年度であるため、報告書の作成を予定している。
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