研究課題/領域番号 |
19K00385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大貫 隆史 東北大学, 文学研究科, 教授 (40404800)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | レイモンド・ウィリアムズ / ウェールズ / 文化研究 / カルチュラル・スタディーズ / ウェールズ英語文学 / 変化の長さ / フォームの研究 / 短い文化革命 / 感情構造の記述 / 文化・文学のソシオロジー / アナイリン・ベヴァン / アラン・ルイス |
研究開始時の研究の概要 |
ウェールズのワーキングクラスが20世紀前半に発露した「例外的な戦闘性」とは、人びとの意識を劇的に変化させる「短い文化革命(short cultural revolution)」を可能にしたものであり、ウェールズ出身の政治家A. Bevanにその典型が見出される。第二次大戦後のR・ウィリアムズにとってこれは継承すべきものであると同時に距離を置くべきものでもあった。この両義的な性格付けが、文化研究勃興期のウィリアムズにおける「社会」及び「コミュニティ」の位置付けにもたらした甚大な影響を、A. Bevanや作家G. Thomas、A. Lewisなどの分析を通して明らかにする。
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研究成果の概要 |
文化研究(カルチュラル・スタディーズ)の勃興期は、従来的に、イギリス的な経験という観点から記述されることが多かった。現在の支配的なカルチュラル・スタディーズ(文化研究)の実践においては、文化的な変化を政治的な観点から解釈、分析、記述することが多くなっているとしたら、ウェールズ的な経験という観点を導入してみると、「変化」の内実だけではなく、「変化の長さ」それ自体が、カルチュラル・スタディーズの源流とされる書き手たちの(少なくとも)一部によって問題化されてきたのではないか、という本課題の問題提起は大きな意味を持ちうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文化研究(カルチュラル・スタディーズ)において、文化的な変容に見出されうる意味や価値をはかる尺度について、政治的なそれを用いることが多くなってきており、そのことを全否定すべきではない一方で、カルチュラル・スタディーズの勃興期を振り返り、そこでの「社会」「コミュニティ」「文化」といったキーワード群の用法を考察してみると、「変化の長さ」それ自体が問題になっていたのではないか、という問題意識を持つことができる。
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