研究課題/領域番号 |
19K00390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
鈴木 実佳 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (40297768)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 人生の物語 / 自己把握 / 手紙と日記 / 知識人 / 読書 / 情報の共有 / 慈善 / 未亡人 / 18世紀 / 貴族女性 / 日記 / 手紙 / 小説 / 過去、現在、未来 / 想像力 / 女性 / 自己鍛錬 / 啓蒙 / 未来 / 風刺 / 学者の使命 / 雑誌 / 英文学 / 日記・手紙・手稿 / 未来への展望 |
研究開始時の研究の概要 |
出版物(主に文学作品)と、出版を意図しない個人の記録(日記・手紙・回顧録・創作ノートなど)の両方を使って、18世紀に際立って用いられた個人の人生の経緯(過去への視点)を伝える語りとそれが形成する人間関係(現在への働きかけ)及び、語り、記録することの意味づけ(未来への委託)に着目し、人生の物語とそれが表す価値観を分析する。これは、過去・現在・未来の結節点を作る人生の物語についての考察である。
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研究成果の概要 |
研究期間の最後に単著『淑女のたしなみ・貴婦人の愉しみ:書簡から読み解くある18世紀イングランド上流女性の日常』と題し主たる研究対象としてきたスペンサー伯爵夫人(1737-1814)の手稿資料(手紙と家庭内の記録)をもとに、恋愛、交友、夫への敬愛、子どもとの関係、慈善活動、自己規律に注目した研究書としてまとめた。 他に学者としての理想に関する論文や文学の伝統の利用と未来への展望を扱う論文を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、18世紀イギリスの印刷文化興隆の時期の文学と記録をもとに、書き手と読み手、書くことへの執着に注目した。特定の個人の記録の詳細な分析による研究であるので個別性をもつ一方で、印刷物だけでなくその周辺の多様な資料を利用して、物語を構成すること、共有を欲すること、記録維持を図ることの意味を探究するという広く一般性をもつ問題を課題とした。その個別性と一般性が本研究の学術的意義であると考える。そこから、現代の私たちの世界の価値観を理解するための一つの視点を得ることができ、過去の記録や文学の分析から出発して、印刷文化が苦戦する今日の社会に対するメッセージを発信する創造性を得ることになると考えた。
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