研究課題/領域番号 |
19K00395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高橋 勤 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (10216731)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ヘンリー・ソロー / アイルランド人表象 / ネイティヴィズム / 電信技術 / サミュエル・モース / ノーナッシング党 / 陰謀論 / パラノイド・スタイル / 想像の共同体 / アイルランド移民 / ネイティヴィズム(排外思想) / テレグラフ / ノー・ナッシング党 / マサチューセッツ州 / カトリシズム陰謀論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題はソローの主要な作品を歴史的文脈から考察するものである。ソローの作品におけるアイリッシュ表象をとおして19世紀中盤の時代背景、マサチューセッツの文化史を多角的に研究するのがねらいである。本研究はソローの作品をネイティヴィズムとの関連において捉えるものであり、そのひとつの起点としてサミュエル・モースの強硬なカトリック排斥思想がソローの文学的想像力と共鳴している事実を考察するものである。
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研究成果の概要 |
本研究課題の研究成果については、令和元(2019)年度に「モールス信号の政治学―ソローと一九世紀ネイティヴィズム思想」という論考を共著書のかたちで発表しており、令和2年度ではさらにネイティヴィズム思想にまつわる陰謀論に関して巽孝之著『パラノイドの帝国』の書評を日本ソロー学会の学会誌『ヘンリー・ソロー研究』に発表している。最終年度の考察は日本ナサニエル・ホーソーン協会全国大会シンポジウム「アメリカン・ルネサンスと白人至上主義の運命」(2022年5月20日、招聘パネリスト)において研究発表を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本国内において、さらに合衆国におけるソロー研究においても、アイリッシュ表象の問題は従来奴隷解放思想と同様にリベラルな政治思想、あるいはキリスト教的人道主義との連関で解釈されてきた。本研究の学術的意義は、ソローのアイルランド人表象をネイティヴィズムとの関連において捉えたことであり、その起点としてサミュエル・モースのカトリック排斥思想とソローの文学的想像力に接点を見出した点にある。わが国のアメリカ文学研究において、モースのカトリック排斥論を分析し、19世紀中葉におけるネイティヴィズムの動きに注目した最初の研究であると確信する。
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