研究課題/領域番号 |
19K00401
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
|
研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
野口 啓子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (60180717)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 反奴隷制文学 / ハリエット・ビーチャー・ストー / アメリカン・ルネサンス / 反奴隷制小説 / マーク・トウェイン / 北部の奴隷制 / スレイブナラティヴ / ルネッサンス期アメリカ文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ハリエット・ビーチャー・ストーの『アンクル・トムの小屋』(1852)に代表されるような、19世紀中葉に盛んに書かれた奴隷制反対を訴える文学や文書を「反奴隷制文学」として包括的にとらえ、この文学の盛り上がりが19世紀半ばのみの一時的な現象ではなく、現代アメリア文学にも受け継がれたアメリカ文学の一つの局面を示すものとなっていることを明らかにしようとする。
|
研究成果の概要 |
本研究は、アメリカ作家ハリエット・ビーチャー・ストーの『アンクル・トムの小屋』(1852)を中心とする反奴隷制文学が、19世紀中葉のルネサンス期に隆盛を迎え、一つの文学ジャンルを形成したこと、またそれはアンテベラム期のみの一時的現象ではなく、古くは18世紀に萌芽があり、ルネサンス期を経て、さらには、ポストベラム期以降のアメリカ文学に脈々と受け継がれていったことを系統的に検証することで、その流れを明らかにした。またその過程で、反奴隷制文学とその他の文学ジャンルとの間テクスト性や相互影響を明示することで、より大きな文学史のなかに位置づけることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
反奴隷制文学は、これまで黒人の手になるスレイヴ・ナラティブや、奴隷制廃止論者による政治的訴えや小説のなかで個別に捉えられてきたが、本研究は、それらを総合的にまとめて系統づけたことで、一つの文学ジャンルとしてその系譜と時代・人種・ジェンダーによる特徴を可視化することができた。そのなかでとりわけ大きな要素となったのが、ストーの『アンクル・トムの小屋』であったが、この小説との影響関係をたどることで、これまで「政治的プロパガンダ」として文学史から除外されてきたストーの作品を再評価し、アメリカ文学史にもう一つの視座を加えることができた。
|