研究課題/領域番号 |
19K00402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
波戸岡 景太 明治大学, 理工学部, 専任教授 (90459991)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ソラスタルジア / ノスタルジア / エコ・ネクロフィリア / 環境ドキュメンタリー / ポストモダン文学 / 対話 / ナレーション / インターテクスチュアリティ / エコクリティシズム / ドキュメンタリー / アダプテーション / アメリカ文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、環境ドキュメンタリーと環境系ヒューマンドラマを自然表象という観点から同列に扱い、20世紀以降のアメリカにおける環境意識を、映像表現の視点から明らかにしていく。環境思想家のグレン・アルブレットは、ソラスタルジアという概念を、人新世という歴史認識のもたらす悲壮感を乗り越えるような、環境論的なオプティミズムを目指すものとして提案している。本研究もまた、映画発明以後のメディアが醸成してきた環境論的視座を、次世代が有効に活用できるよう言語化していくことを最終目標とする。
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研究成果の概要 |
グレン・A・アルブレヒトの提唱するソラスタルジアという概念を援用しながら、アメリカにおける環境ドキュメンタリーと文学作品の比較分析を行った。そして、各映像作品から抽出された環境意識のあり方を、トマス・ピンチョンの文学作品における環境表象・動物表象に重ね合わせ、独自の環境表象論を展開した。その成果は、ピンチョンの第一長編V.から最新作Bleeding Edgeにいたる仕事を、リオタールのポストモダン寓話との比較によって論じたThomas Pynchon's Animal Tales: Fables for Ecocriticism(Lexington)という著作に結実する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境意識の高まりとともに、さまざまな映画や文学作品が生み出されてきたが、いずれの作品においても、芸術としての価値の高さと内容の政治的な正しさは、必ずしもイコールにはならない。本研究では、人間対自然という二項対立を疑うのみならず、両者を観察する第三者の視線というものに着目し、それがドキュメンタリー映画とポストモダン小説の語りの双方でいかに重要な役割を果たしているかを明らかにし、そうすることで、環境批評(エコクリティシズム)の有用性を高めることに貢献した。
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