研究課題/領域番号 |
19K00411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
十枝内 康隆 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80359489)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ヴィクトリア朝 / ファッション / ダンディズム / ウォルター・ペイター / オスカー・ワイルド / マックス・ビアボーム / マックス・ビアボウム |
研究開始時の研究の概要 |
後期ヴィクトリア朝のイギリスにおいて,ファッションのような消費活動が,当時の男性の生活やアイデンティティの形成とどのような関係を持ち,また,それが後期ヴィクトリア朝の男性作家におけるダンディズム概念の構築と再構築にどのような影響を与えていたかという問題を,オスカー・ワイルドやマックス・ビアボウムを中心とした世紀末唯美主義の代表的な作家たちのテクストを綿密に分析することによって解き明かす。
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研究実績の概要 |
2022年度については、これまでの研究に基づいて引き続きヴィクトリア朝後期英文学における代表的な作家のテクスト分析を行うとともに、これらの作家やファッション、ダンディズムをめぐる2次資料の精査を継続した。これまで分析の主たる対象とし、一定の成果をあげることのできたウォルター・ペイターとダンディズムの問題については、従来取り上げられることの稀であったテクストも考察の対象に含め、研究の幅を広げることができた。また、マックス・ビアボームとオスカー・ワイルドの影響関係についての考察を深めつつ、ビアボームとダンディズムに関する問題を中心に検討を行った。
野末紀之氏(大阪公立大学教授)を研究代表者とする科研グループ(「19世紀後半~20世紀初頭の英文学における階級横断的な男性性の再定義の研究」)とは、引き続き綿密な連携をとりながら研究活動を進めている。本年度においては、共同研究会を2022年9月と2023年3月の2度実施した。同研究会では、引き続きジェンダーの問題を中心に現在までの関連資料をめぐる状況や研究の動向についての検討を共同で行うとともに、オスカー・ワイルドやビアボームをめぐる研究発表を行った。これらの発表については、野末氏ならびに研究会メンバーである藤井佳子氏(大阪公立大学兼任講師)、高橋章夫氏(大阪公立大学兼任講師)からフィードバックを得ることができた。さらに本年度においては、ゲストとして参加いただいた加藤雅之氏氏(神戸大学名誉教授)からも、貴重な示唆を得ることができた。
また、日本ワイルド協会第47回シンポジウム『ワイルドとその周辺における男性性の再定義をめぐって』に登壇し「ふたりのダンディ――オスカー・ワイルドとマックス・ビアボーム」と題した研究発表を行った。同シンポジウムコーディネーターの金田仁秀氏(群馬大学准教授)をはじめ多数の参加者から貴重な助言を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症に対する対策は若干緩和されたものの、ある程度の措置が引き続き求められていたため、海外渡航等についての日程調整その他に困難があり、国内外の図書館等における資料収集を計画通りに進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症に関する対策がほぼ撤廃されたため、これまで延期していた国内外の図書館等における資料収集を再開する。海外渡航については、円安や英国等の高インフレによって予算上の困難が想定されるが、期間を短縮し集中的に実施することによって対処したい。
また、本研究課題の総括に向けて、所属学会等における口頭発表を引き続き行うとともに、学術論文の執筆を進め、持続的な投稿と発表を目指す。また、他の研究グループや研究者との合同研究も継続して実施し、合同の成果発表等についても検討する。
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