研究課題/領域番号 |
19K00423
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
出口 菜摘 京都府立大学, 文学部, 教授 (80516138)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | T. S. エリオット / 大戦間期 / プリントカルチャー / 『荒地』の受容 / 『クライテリオン』 / 『エンカウンター』 / 『荒地』 / 戦間期 / モダニズム詩 / クライテリオン / マーガレット・アトウッド / モダニズム / T. S.エリオット / 正典の形成 / プリント・カルチャー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1. プリントカルチャー 2. 第一次世界大戦の勃発と大戦間期 3. イギリスからアメリカへの覇権の移動、という3点から、モダニズム文学の形成とモダニ ズム文学の概念を再検討することを目的とする。 本研究が提示する視座において、これまで個別に発展したと思われてきたモダニズム文学 史とメディア史、地政的変動を接続することとなり、新しいモダニズムの相貌を提供する研究となる。本研究のテーマには、大西洋を挟んだ両岸を「移動」し、かつ「繋ぐ」詩人として、T. S. Eliotが相応しいと考え、彼の作品・評論、文芸活動を中心に分析をすることで、モダニズ ム文学が形成されるプロセスを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究成果は論文「冷戦下に広がる荒地 プリントカルチャーと詩人の役割」にまとめ、論集『四月はいちばん残酷な月 T. S. エリオット「荒地」発表100周年記念論集』(2022年、水声社)の一篇として出版した。本論文は日本におけるエリオット受容を視野に、エリオットと『荒地』の受容を、大西洋と太平洋を跨いで張り巡らされたプリントカルチャーから考察したもので、冷戦期の文芸誌『エンカウンター』に先立って、戦間期にエリオットが編集した文芸誌『クライテリオン』がモデルとしてあったことを、両誌の編集方針から明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文化的ネットワークを構築する媒体として、『エンカウンター』が『クライテリオン』の編集方針に倣ったという事実は、翻って、大戦間期に形成されたエリオットの文化的戦略がいかに野心的であり、かつ有効だったかを物語るものである。コロナ禍のために、当初計画をしていた英国図書館等での資料調査を実施することが難しかったが、大戦間期に軸足を置く本研究の問題意識は、第二次世界大戦後にまで射程をのばすことのできるテーマであることを明らかにした。そして本研究の根幹となるプリントカルチャーと文化形成をベースとし、よりスケールの大きな研究成果を得ることができたと考えている。
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