研究課題/領域番号 |
19K00425
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
|
研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
鈴木 淳 東北工業大学, 総合教育センター, 教授 (10552755)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | センセーション小説 / 女性の願望 / ニューウーマン小説 / ハーディ / コリンズ / センセーション / ゴシック / ナラティブ / ゴシック小説 / 願望 / プロット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、一見するとテクストが女性を抑圧し、男性の物語を描くリアリズムの秩序の完成に向かう際に、実際には、逆にその物語の権威が女性のさまざまな願望によって揺るがされていることを明らかにする。その際には、明らかに逸脱した女性ではなく、むしろコンベンショナルな女性表象が孕むテクストの権威の転覆に注目する。そこでは、結婚に関して女性によるダーウィンの科学的言説の利用や、女性同士の絆による男性中心のテクストのゴールである結婚のディスコースの破壊などが見られ、最後には、男性が自身の成長物語を語ることができない状態になる。結果的に、男性は女性の願望の物語の一部となるのである。
|
研究成果の概要 |
本研究の成果については、トマス・ハーディやウィルキー・コリンズ、そしてニューマン作家であるモナ・ケアードなど19世紀の作家による詩および小説テクストの中の、いわゆる「男性中心の物語」の構造に注目することで、その中で、実際にはテクストの中に存在する女性の願望の声によるプロットが男性が語ろうとする物語の権威を崩し、結果的に物語の主人公である男性のアイデンティティを揺るがしていることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義および社会的意義は、これまで男性主人公の物語を描いているとされてきたテクストの中に存在する「女性の願望」を示す声を中心にしてテクストを読み直すことで、これまで見えてこなかったテクスト構造およびジェンダーの力関係の逆転を読み取ることができることにある。本研究では、全体を通して、センセーション小説の特徴の一つとしての女性の願望によって操作される男性主人公の物語と転覆という構図を明らかにすることができた。
|