研究課題/領域番号 |
19K00432
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 新潟国際情報大学 |
研究代表者 |
矢口 裕子 新潟国際情報大学, 国際学部, 教授 (30339931)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アメリカ文学 / 女性文学 / ジェンダー / セクシュアリティ / フェミニズム / 自伝 / 日記 / アナイス・ニン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、無削除版日記の出版以降新たな局面を迎えたアナイス・ニン研究を、諸テクストをパリンプセストとして再読することで更新しようとする試みである。ニンの主著である日記は、編集版、初期の日記、無削除版の3シリーズからなるが、無削除版もまた編集されたものであることがわかっている。本研究は編集版・無削除版日記、UCLA図書館が所蔵する手書き日記、小説、書簡集等を等価なテクストとして重ね読みする。ニンにおいて「文」と「人」が分かちがたくあることは前提としつつ、人格/人生への価値判断を排し、ジェンダー/セクシュアリティ・精神分析・親族研究等の最新の知見を援用しつつ、21世紀的なニン再読を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、アナイス・ニンの自伝的テクスト群をパリンプセストとして読み重ね、21世紀のニン像を構築することを目的として行われた。研究成果として、アナイス・ニン研究会メンバーとの共訳書『アナイス・ニンとの対話』、単著としてAnais Nin's Paris Revisited: The Englsih-French Bilingual Editionを紙媒体・電子媒体の両方で出版し、内外の読者に発信した。新しいフェミニズム誌『シモーヌ』の特集「『私』と日記:生の記録を読む」にニン論を寄稿した。また、本邦初となるニン研究書を近く出版の予定で、作家としてのニンの再評価に貢献できるものと確信する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果として、共訳書『アナイス・ニンとの対話』、雑誌『シモーヌ』への寄稿、単著Anais Nin's Paris Revisitedは、いずれも一般読者と研究者の双方にアピールしうるものである。社会的にも学術的にも再評価が進んでいると必ずしも言えないニンを広い層に紹介し、興味を喚起することには意味があると考える。また、Paris Revisitedを英米仏を中心に主要な公共・大学図書館に寄贈するとともに、電子出版することで世界に発信した意義は大きい。近く小鳥遊書房より出版予定の研究書は、作家としてのニンの再読・再評価をめざす、本邦初となるニンのモノグラフであり、その学術的意義は大きい。
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