研究課題/領域番号 |
19K00433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
星 久美子 愛知学院大学, 文学部, 教授 (20572142)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バイオフィクション / バイオグラフィー / メタバイオグラフィー / ライフ・ライティング / モダニズム / ポストモダニズム |
研究開始時の研究の概要 |
「バイオフィクション」は、1990年代以降、新たなジャンルとして注目され、数多くの作品が出版されている。本研究は、ポストモダンの時代に書かれた「バイオフィクション」の中で、モダニスト作家が伝記対象となっている作品に着目し、モダニスト作家の小説の技法や特徴が再現されているのかどうかという観点から考察する。 三年計画の初年度は、「バイオフィクション」とはなにかという定義の確立を目指す。次年度は、個別の作品を詳しく考察する。最終年度は、モダニズムの時代に誕生した「メタバイオグラフィー」からポストモダンの「バイオフィクション」への「ライフ・ライティング」の系譜を提示し、一連の研究を完成させる予定である。
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研究成果の概要 |
本研究は、「バイオフィクション」とは何かという学術的「問い」への解を示すことを目的とし、とくにポストモダンの時代に書かれたモダニスト作家が対象となっている作品における特徴を明らかにすることを目指した。本研究の結果、「バイオフィクション」とは、主人公が実在する歴史上の人物である点は「伝記」と同じだが、フィクションを含むという点以外にも重要な相違点があることが明らかとなった。また、「バイオフィクション」の起源は19 世紀後半まで遡り、さらに、ポストモダンのバイオフィクションで、モダニスト作家が対象となっている作品では、その作家の小説技法や特徴の再現が試みられている場合が多いことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「メタバイオグラフィー」とは何かという学術的「問い」を探求する一連の研究の集大成であり、新たに「バイオフィクション」という変種を加えることで、体系的な研究となったことは学術的にも意義があると考えられる。また、本研究は、主にモダニズムの時代から現在に至るまでに英語で書かれた、新しい伝記作品を中心に考察してきたが、文学ジャンルという枠を超え、「ライフ・ライティング」というより大きな学際的な枠組みで捉え、その諸相を明らかにすることで、昨今、急速に発達しているSNSなどにおける他者について語る行為についても理解を深める研究となり、その意味で社会的意義があるのではないかと考えられる。
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